「藤田学園 新病棟建設13年度に」『中日新聞』2011年9月15日

3年後の2014年に新病棟完成予定とのこと。 以下、中日新聞ホームページより転載。
藤田学園 新病棟建設13年度に」『中日新聞』2011年9月15日

運用厳格化 経営改善で前倒し

藤田保健衛生大病院

 藤田保健衛生大を運営する学校法人藤田学園(愛知県豊明市)が、資産運用失敗の影響で延期していた大学病院の新病棟建設に2013年度に着手することが分かった。当初は16年度以降を予定していたが、経営刷新と建設費圧縮により資金調達のめどが立ち、前倒しが可能になった。8月末の理事会で承認され今月上旬、県に計画を報告した。14年度中の完成を目指す。

 学園は08年以降の世界同時不況によるデリバティブ金融派生商品)取引の失敗で、約120億円の運用損を出した。資産運用担当だった3人の理事が事実上引責退陣し、今年4月から小野雄一郎理事長を中心とする新執行部がスタート。資産運用の規定を厳格化し、顧問や事務のトップも外部から迎えて経営改善に取り組んだ。

 300億円を予定していた新病棟建設費は、一部施設を別の計画に回したり入札方法の見直しなどにより200億円以下まで削減する。

 新病棟は700〜800床で、地上12階、地下1階、延べ4万8千平方メートルの予定。老朽化した2つの病棟を建て替える形で、駐車場部分に建設する。既存の病棟と合わせると1350〜1400床となり、現在より約1割減となる。手術室数は1.7倍に増やし、手術待ちの患者の多い現状を改善する。最新の耐震設計、救命救急センター機能の向上で、災害拠点病院としての役割も強化。ヘリポートも整備する。

 小野理事長は「財政立て直しにはまだ努力が必要だが、予想より早く新病棟建設が可能になった。より一層患者さんの期待に応えられる病院を目指したい」と話している。