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福祉施設におけるレスパイトケアと医療機関におけるレスパイトケア、両分野での充実が望まれますが、現実はなかなか進展しません。サプライサイドのエゴが全面に出てしまいます。
羽生正宗『レスパイトケア(介護者支援)政策形成: 「孤立」から「結び合う」介護へ』日本評論社,2011/12/5
○内容
「介護難民」が急増している。「老老介護」の果てに虐待、心中、自殺という悲惨な事例が増えている。在宅で介護を続ける介護者の負担をどう和らげるか。レスパイトケア(介護者支援)の仕組みづくりがいま、急がれる。
○目次
序 章 老老介護の現状分析――レスパイトプログラムの必要性
第1章 わが国の高齢者介護の現状分析
1.介護殺人と心中の分析
2.高齢者の自殺
3.高齢者虐待
第2章 在宅介護を生むメカニズム
1.超高齢化社会の到来
2.高齢会社会の進展と医療費を支える財源の問題
3.在宅介護を生むメカニズム
4.介護保険制度改正から見る在宅介護を生むメカニズム
第3章 家族介護者の状況
1.統計から見た家族介護
2.介護サービスの利用状況
3.介護者か介護に要する時間および健康意識
4.介護者の離職状況
第4章 レスパイトに係わる先行研究
1.データベース検索方法と結果
2.被介護者の病態区分、運営形態
3.レスパイトケアのニーズ
4.レスパイトケアのアウトカム
5.レスパイトケアの課題
6.レスパイトに係わる国外文献
第5章 Zarit介護負担感尺度日本語版(J-ZBI)を用いた家族介護者の負担感分析
――介護負担感要因のモデル化
1.介護負担感に関する先行研究
2.Zarit介護負担感尺度
3.Zarit介護負担感尺度日本語版(J-ZBI)を用いた家族介護者の負担感分析
4.まとめ
5.介護負担感要因の検証――全国調査と山口県調査との比較における同一性
第6章 海外におけるレスパイトプログラム
1.イギリスにおける介護者制度
2.オーストラリアにおける介護者制度
3.アメリカにおける介護者制度
4.各国の特徴
第7章 介護保険法施行(2000年)以前と変わらぬレスパイト政策
1.介護者に対する現金給付が見送られた経緯
2.厚生省介護保険制度試案
3.公的介護保険制度制定前後における要介護高齢者の介護者の意識変化(1)
4.介護者の意識変化(2)(介護保険導入前後の比較)
5.新たな提案 インフォーマル・サポートの重要性
参考・引用文献
○著者略歴
羽生 正宗
1954年大分県別府市生まれ。九州大学大学院法学研究科修士課程修了。九州大学大学院医学系学府医療経営・管理学修士課程修了。慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。現在:山口大学大学院経済学研究科教授(学術博士:医療・福祉経営戦略論、医療・福祉経営分析論、医療・福祉創造論、ヘルスツーリズム論)、税理士、一般社団法人日本メディカル研究所理事長