診療報酬改定に伴う研修会(愛知会場)に行ってきました

2012年6月10日、金城学院大学にて日本医療社会福祉協会主催の「診療報酬改定に伴う研修会」に行ってきました。参加者は50名程度。愛知県外からの出席者もみえました。 司会・進行は、日本協会理事の権田吉儀氏。 日本協会調査研究部からは、北里大学病院の早坂由美子氏が来られました。 前半60分の厚生労働省保険局医療課長鈴木康裕氏による講演(DVD上映)は、これまでの説明会の中で一番わかりやすく、また医療ソーシャルワーカーにとって的を射た内容だったと思います。 講演で、印象に残った言葉は、以下の通り。(大意なので正確な言葉ではありません。) 自宅で看取ることは在宅医療の進展により一定程度進むが限定的である。 生活場所として、居住系サービスが今後さらに大きな市場となる。 (感想) ともすると、在宅サービスを「調整」することによって自宅で看取ることが出来る、という「雰囲気」だけが先行している退院支援業界ですが、2012年の診療報酬改定で在宅医療を推進する立場の厚生労働省自身がその対策に限界を感じているということが印象的でした。今後、独居要介護高齢者の増加がその1要因でもあるとのこと。そのため、在宅医療の推進は自宅に帰りたいと思う患者・家族への対応として、量的対応というよりも質的対応に重きが置かれているように感じました。 この点については、「厚生労働省は、2005年の介護保険法改正時に、…『在宅重視』と言いながらも、実質的には、『自宅重視』から『居住系サービス(自宅以外の多様な居住の場)重視』へと方針転換しました。」と二木先生(2007)が既に指摘されています。そういった意味では、今回の改定においても厚生労働省の方針に変わりはないことが確認でしました。 この様な認識が退院支援業界でも共通のものになれば良いのですが、なかなか道は険しいと思います。無論、私は在宅での看取り(あるいは在宅療養生活)を否定しているのではなく、本人・家族から希望があれば、大いに賛成です。実際に在宅での看取りの支援もしています。 注意が必要なのは、介護保険制度開始時の「雰囲気」だけが今でも残り、患者・家族に対して、「自宅重視」が国の政策ですからと、医療機関側から一方的に自宅退院を押し付けられることを危惧しています。 後半は、日本医療社会福祉協会調査研究部として早坂氏からこの間の厚生労働省への働きかけについて報告がありました。ここ数年の調査研究部(旧:社会保険部)の活動は「見える化」する活動であったと思います。本当に頭が下がる思いです。 今後の改定時には、診療報酬改定に伴う研修会の「通常」開催場所として愛知県も是非加えてもらいたいです。 20120610184807.jpg 大森・金城学院大学前駅近くにある『ポテトロッジ』 20120610114056.jpg 目玉焼きハンバーグ定食700円。目玉焼きがハート型…。流石女子大界隈。 20120610163259.jpg 金城学院大学。会場入り口。立派ですね。 引用文献 ・二木立「認知症ケアのビジネスモデルを考える『コムスン処分』の意味にも触れながら」『月刊/保険診療』2007年9月号,pp97-101