新刊案内

真野 俊樹『入門 医療政策 - 誰が決めるか、何を目指すのか (中公新書)』中央公論新社,2012.8.24 ○著者略歴 真野/俊樹 1961年(昭和36年)、名古屋市生まれ。87年、名古屋大学医学部医学科卒業。95年、コーネル大学医学部(薬理学)研究員。2000年、レスター大学大学院でMBAを取得。2004年、京都大学で博士(経済)を取得。国立医療・病院管理研究所協力研究員、昭和大学医学部講師等を経て、多摩大学医療リスクマネジメント研究所教授。専攻、医療経済・経営学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ○内容 高齢者医療費の増大、TPP参加と皆保険制度等、日本の医療は嵐のなかにある。また、医療者・政府・患者等、関係者の利害対立も激しさを増している。これまでは“カンと度胸”で決定されてきた医療政策も、いまやデータの裏付け・検証や理論に基づく施策が求められている。本書は、医療政策の課題、学問的裏付け、決定過程の実態、諸外国の例、今後の展望について解説し、新たな学問としての医療政策学の必要性を説く。 ○目次 第1章 現在の医療の政策課題 第2章 日本の医療の歴史と特徴 第3章 医療政策を支える学問―医療経済学 第4章 医療を支える学問―経済学以外の学問 第5章 諸外国の医療政策と医療の実態 第6章 日本の医療政策のプレーヤーとスタンス 第7章 日本の医療政策における対立の本質 第8章 日本の医療の今後と政策への提言 コメント:王道
木村憲洋『病院は、めんどくさい: 複雑なしくみの疑問に答える (光文社新書)』光文社,2012.8.17 ○著者略歴 木村 憲洋(きむら のりひろ) 1971年栃木県足利市生まれ。94年武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部機械工学科卒業後、神尾記念病院などを経て、現在、高崎健康福祉大学健康福祉学部医療情報学科准教授。著書に、『イラスト図解 病院のしくみ』『イラスト図解 薬局のしくみ』『イラスト図解 看護師のしくみ』『イラスト図解 医療費のしくみ』(以上、共著・日本実業出版社)、『図解雑学 病院の仕事としくみ』(共著、ナツメ社)、『ズバリわかる! 診療報酬改定』(照林社)など多数。 ○内容 病院に行くと、めんどうくさいことがたくさんあります。 それは、病院が複雑な構造やしくみの下に運営されているからです。そして、医療に関する法律や医療政策によって、厳しく複雑なかたちで規制されているからなのです。 医療行為は、言うまでもなく人の命を扱っています。そんなデリケートな行為であるがゆえに、厳密に行なうべきことや制限されることが多くあるのです。 本書は、病院に関する「めんどうくさい」しくみや決まりごとなどについて、疑問にお答えする形式をとりながら、説明をしていきます。これを読めば、「めんどうくささ」の理由がわかり、病院や医療制度に対する理解が深まると思います。 ○目次 はじめに 第1章 医者の給与はどのくらい?       ――病院に関する素朴な疑問  ■コラム1 MBAの資格をとる医師  ■コラム2 病院の掲示板 第2章 病院は患者を早く退院させたがっている?      ――病院のしくみと裏側に関する疑問  ■コラム3 「かかりつけ医」と「地域医療連携室」   ■コラム4 病院と葬儀会社は仲良し?  第3章 病院がつぶれたら患者はどうなる?        ――病院経営に関する疑問 第4章 治療費を払わなかったらどうなる?      ――医療費と医療制度に関する疑問  ■コラム5 病院の個室料2  ■コラム6 予防医療   ■コラム7 「名医」の条件 参考文献・資料等 コメント:目次の言葉づかいがきわどい。「第2章病院は患者を早く退院させたがっている?」でどのような記述がなされているのかが気になる。