新刊案内

窪田暁子『福祉援助の臨床 共感する他者として』誠信書房,2013.1.15 256ページ ○内容 日本におけるグループワークの礎を築いた著者の、65年にわたるソーシャルワーカーとしての援助実務と大学での教育をまとめた待望の書き下ろし。福祉の現場で生の営みに困難を感じ孤立していく人々に専門職として何を感じ、どのような思いを込めて援助活動を展開してきたのかを示す。多様化する福祉問題に立ち向かい、制度と実態との矛盾のなかで、社会福祉援助の仕事を全うしようと志す人へ前へ向かって歩を進めるための指針を与えてくれる。 ○目次 序章 「生の営みの困難」  第1節 「生活困難」とは  第2節 「生の困難」  第3節 「生の営みの困難」 第1章 「生の営みの困難」援助の専門職  第1節 ソーシャルワーク論の語る援助の基本原則  第2節 援助における専門職の責任 第2章 「福祉援助の臨床」という視点  第1節 福祉援助の臨床という視点の提案  第2節 福祉援助の臨床という視点がもたらすもの 第3章 福祉援助の臨床──その基本技能は面接  第1節 面接のはじまり  第2節 面接の基本構造 第4章 援助関係の考察──援助者は基本的に「共感する他者」である  第1節 「共感する他者」という存在  第2節 誰がクライアントか  第3節 関係者との連携、相互協力における配慮 第5章 面接のスキルとしてのコミュニケーション  第1節 面接におけるコミュニケーション  第2節 共感的受容のための状況設定  第3節 孤立する他者への呼びかけと、相手の「支配」を抑える言葉と  第4節 基本的応答パターンの考察  第5節 集団場面における個別コミュニケーション  第6節 多様な援助技法および多様な活動の導入、それらとの接続 第6章 援助のはじまり──援助課題の確認(アセスメント)  第1節 「生の営みの困難」の内容確認  第2節 確認のための面接──若干の手がかり  第3節 援助課題の限定とその命名 第7章 援助計画(目標・方法・期間)と共同作業  第1節 目標と方法と期間をセットで考える  第2節 救急、短期、中期、長期の援助計画、および危機介入  第3節 援助は共同作業である 第8章 援助方法としての集団場面および集団関係の活用  第1節 なぜグループ?──個別援助との違いと関連  第2節 集団援助と個別援助──それぞれが特に有効な場合  第3節 集団場面、集団関係、集団過程  第4節 プログラム活動  第5節 自助グループと援助専門職  第6節 擬似家族、擬似コミュニティ、治療共同体など 第9章 援助の終結に向かって──評価をめぐる共同作業  第1節 いつ、誰が、何を評価するか  第2節 評価の結果を生かすということ 終章 「生の困難」を越えて  第1節 「生」の全体が勢いを取り戻すとき──「生の困難」を越えて  第2節 「生の営みの困難」がその様相を変えてゆく  第3節 苦難を乗り越えた人々の語り──神話の誕生:「サバイバーズ・ミッション」の発見  第4節 ミクロの社会(福祉)思想──その種子を蒔く