「【座談会】いつやるか?"今"でしょ! プライマリ・ケア医への臨床研究のススメ」『週刊医学界新聞』第3025号,2013年5月6日

今週の『週刊医学界新聞』第3025号,2013年5月6日は、トップ記事が「【座談会】いつやるか?"今"でしょ! プライマリ・ケア医への臨床研究のススメ」でした。 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03025_01 印象的だったのは、広島大学病院総合内科・総合診療科助教横林賢一氏の次の言葉でした。 「実際に家庭医になってみると,とても奥深い仕事である反面,独り善がりになりやすいとも感じます。エビデンスが乏しい,あるいは海外からの“借り物”のエビデンスしかないなか『患者さんが笑顔であればいい』という気持ちだけでは,いつの間にか主観的・恣意的な医療を行ってしまう可能性もぬぐいきれない。そんなことを漠然と考えていた」 "家庭医"という文字を"MSW"に、"エビデンス"を"理論"に、"医療"を"援助"に替えてもそのまま意味が通じます。 また、東京慈恵会医科大学准教授、兼合医科学研究センター・臨床疫学研究室室長松島雅人氏の次の言葉にも共感しました。 「卒後10年ほど経って診療活動も一段落し,専門医も取得して『次の目標は何にしよう』と思案している世代のほうが,ハードルを越えやすいのかもしれませんね。私が育成プログラムを作ろうと思ったのも,ある学会で『研究をしてみたいけれど,指導や教育を受ける機会がなかなかない』という,中堅の医師の訴えを聞いた」 研究をするとなるとどうしても、私の知る限りにおいては、個人ワークかあるいは大学院に入学のどちらかしか選択肢がありません。前者は、研究そのものが独りよがりになったり、全てのことがらを一人でやろとすると、「ある程度研究スキルが上がるまでは」となかなか研究を始められなかったり。後者は、経済的問題や博士論文を提出しなければいけないというノルマが課されてしまいハードルが高くなってしまいます。本座談会の様に、MSWにとっても利用できるリサーチセンターが「地域レベルに」とまでいかなくても、各都道府県に1か所でもあると助かります。