『週刊 医学界新聞』第3029号,2013年6月3日

『週刊 医学界新聞』第3029号,2013年6月3日で興味深かった記事。 上田敏「【視点】リハビリテーションの歩みを振り返って見えてきたもの」 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03029_02 50年前の1963年にわが国にリハビリテーション(以下,リハ)医学が誕生する前後の事情と,100年前にまでさかのぼって見えた世界と日本の歴史的背景,リハ医学誕生から今日に至るまでの50年間の歩みを概観し,さらにはこれからの在るべき姿を考察したものを一書にまとめる機会を得た(『リハビリテーションの歩み――その源流とこれから』,医学書院,2013年6月発行予定)。 今井直彦「【寄稿】プライマリ・ケア医や開業医も知っておきたい 患者さんが腎移植に抱く3つの誤解」 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03029_03 ・現在,腎代替療法は,血液透析や腹膜透析などの透析療法が主流となっています。その結果,透析患者の総数は30万人となり,2010年には新たに約3万8000人が透析を導入しています。一方,日本の腎移植は,10年ほど前よりその総数は年々増えており,2006年に年間1000例を超え,2011年には約1600例となっています。 ○3つの誤解 ・血液型が異なると移植を受けられない →現在では,どんな血液型の組み合わせでも腎移植が受けられるようになっています。輸血が不可能な組み合わせ(例;A型からB型,AB型からA型・B型・O型など)であっても,腎移植は可能。 ・腎移植はお金がかかる →透析患者さんの多くは身体障害者1級を持っており,重度心身障害者医療費助成制度の適応となっています。これと同様に,腎移植も補助が受けられるので,本来高額の費用がかかるところ,せいぜい数万円の自己負担額で済むことになります。なお,これは後述する「先行的腎移植」を受けられる患者さんも同様です。 ・腎移植は透析患者しか受けられない →先行的腎移植のほうが,透析を経てからの腎移植と比較して,移植腎の生着率や移植患者の生存率が良好であるとわかってきた。(中略)先行的腎移植を行う適切な時期は,慢性腎不全の第5期とされています。その後に必要な準備のことを考慮すると,先行的腎移植の候補となり得る患者の推定糸球体濾過量(eGFR)が20mL/分/1.73m2になった段階で移植施設へ一度ご紹介いただくよう,われわれの施設ではお願いしています。