第2回終末期医療に関する意識調査等検討会(平成25年6月27日)

第2回終末期医療に関する意識調査等検討会が平成25年6月27日に開催されている。 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000035sag.html 今回は、終末期医療に関する意識調査の集計結果(速報)が公表された。 ○概要 調査時期:平成25年3月 調査方法:郵送調査 調査対象(回収数):一般国民(n=2,179)、医師(n=921)、看護師(n=1,434)、施設介護職員(n=880)、施設長(n=1488) ○前回調査(平成20年)からの主な変更点 • 新たに施設長への意識調査を実施した。 • 延命医療の中止の意思ではなく、人生の最終段階において受けたい医療、受けたくない医療に関する意思表示について尋ねた。 • 終末期の状態像について「遷延性意識障害」、「脳血管障害や認知症等」か ら、「末期がん」、「心臓病」、「認知症」、「植物状態」、「臨床的脳死状態」の病態とした。 • 人生の最終段階において受けたい医療、受けたくない医療について、個別の医療行為ごとにその受療の希望を尋ねた。 • 前回は緩和ケア病棟を調査対象としていたが、今回は特別な対象枠とはしていない。 ○一般国民の回答 ・事前指示書※1をあらかじめ作成しておくことへの賛否は、69.7%が「賛成である」と回答。一方で、事前指示書に従った治療を行うことを法律で定めることの賛否は、5割以上が法制化に消極的だった。 ・終末期を過ごしたい場所では、「ケース1 末期がんであるが、食事はよくとれ、痛みもなく、意識や判断力は健康なときと同様に保たれている場合」、71.1%が居宅を望んでいた。 ・一方、「ケース2 末期がんで、食事や呼吸が不自由であるが、痛みはなく、意識や判断力は健康なときと同様に保たれている場合」、居宅を希望する人は37.4%にまで低下した。 ・また、「ケース2 末期がんで、食事や呼吸が不自由であるが、痛みはなく、意識や判断力は健康なときと同様に保たれている場合」に受けたい医療で「望む」と答えた人は、口から水を飲めなくなった場合の点滴61.1%、中心静脈栄養(、首などから太い血管に栄養剤を点滴すること)18.8%、経鼻栄養12.7%、胃ろう7.9%であった。 【考えたこと・感じたこと】 ・ケース2において「痛みはな」くとも居宅を希望する人が大幅に減少したが、確かに「食事や呼吸が不自由」となると、実際の退院援助においても自宅退院に多くの患者・家族が不安と話されるので、実感と近い。これに痛みが加わると更に不安は増す。この段階で、適切な医療(積極的治療という意味ではない)・患者/家族支援・在宅サービス導入により一定の患者が自宅に帰られる。但し、自宅に帰る意味は「一時的」と「看取りまで」と目的が分れる。 ・代替栄養法については、最近のテレビ・新聞などで展開されている胃ろうバッシングも影響してか希望者は低い割合だった。但し、実際に選択を迫られた時、家族は心理的にとても動揺されるし、「反対」から「希望」に切り替わることもある。最終的な代替栄養法を決めるのは、それを実行するという意味で医師と患者・家族であるが、MSWとしては決定支援という点で援助可能である。