映画紹介

大分の先生のBlogにて、湯浅誠氏の『岩盤を穿つ』文藝春秋,2009の文庫本が発売されたことを知り、学会最中に会場最寄りの丸善メトロ・エム後楽園店で購入。 湯浅誠『(ちくま文庫)なぜ「活動家」と名乗るのか: 岩盤を穿つ』筑摩書房,2013/10/9 ○内容 他なる社会の可能性を夢見てそれに形を与え、場を作り、共同性を練り上げ、夢見る条件を作る。これが活動家の仕事だ。2008年暮れから年明けの「年越し派遣村」や、2009年10月から2012年3月までの内閣府参与など、一貫して貧困問題に取り組んできた著者が、「活動家」についてわかりやすく伝える。 ○目次 第1章 NOと言える労働者に―派遣切りに抗して 第2章 生活保護の野宿者の現実 第3章 貧困は罪なのか? 第4章 自己責任論が社会を滅ぼす 第5章 ぼくは活動家 最終章 政権交代で問われること 最近、思うところがあり帰りの新幹線内で読みふける。そういえば、湯浅さんが来年4月から法政大学現代福祉学部の5年任期付き専任教授に就任することがニュースになっている。 湯浅氏のHPをみると、以下の映画が紹介されていた。 小林政­広監督『日本の悲劇』2013.8.31 http://www.u-picc.com/nippon-no-higeki/#prettyPhoto ○内容 大病を患い余命幾ばくもないことを知った父親は、病院から帰った翌日、自室を封鎖し食­事も水も摂ることをやめる。そんな父親の狂気に混乱し、怒り、悲しみ、呆然とする息子­。妻と子に去られた失業中のひとり息子は、未だ生活を立て直せず、父親の年金を頼りに­暮らしていた。そんな息子を残し、扉を固く閉じた父親の真意とは......。 監督は、『バッシング』『春との旅』と、常に現代の日本を真正面から見据える大胆なテ­ーマに挑み、カンヌ、ロカルノをはじめとする世界各国の映画祭で称賛されてきた小林政­広。 本作では、ある家族の崩壊をとおして日本が陥っている「無縁社会の深淵」を描いていく­。 モティーフになったのは日本中を騒然とさせた年金不正受給事件。 出演者は父親・不二男に仲代達矢、息子・義男に北村一輝、別れた妻・とも子に寺島しの­ぶ、不二男の妻・良子に大森暁美の四人。日本最高峰の俳優・仲代達矢と本作で新境地を­切り開いた北村一輝が見る者を圧倒する魂のぶつかり合いをみせる。 外部との接点をなくした極限状態の家族がその果てに選ばざるを得なかった究極の愛の形­――。 『日本の悲劇』は誰の身にも起こりうる私たち家族の物語といえるだろう。 湯浅誠の公式サイト http://yuasamakoto.org/ 映画『日本の悲劇』 予告編