「『怒鳴らない子育て講座』親子に着実な改善効果 虐待防止対策で」『産経新聞』2014年4月11日

「怒鳴らない子育て練習講座」のHPには、「講座の中では、CSP(※)という親支援プログラムを使っています。」と書かれており、CSPの解説として「 CSP(コモンセンス・ペアレンティング)…Common Sense Parentingの略で「誰でもできるしつけ」の意味。アメリカで開発され、児童養護施設「神戸少年の町」の施設長 野口氏によって日本版が作られた。」と書かれている。

児童養護施設神戸少年の町」の施設長野口啓示氏といえば、ワシントン大学社会福祉大学院を修了後、実践をしつつ関西学院大学博士課程で芝野先生のもとMD&Dをベースに博論を執筆。『被虐待児の家族支援―家族再統合実践モデルと実践マニュアルの開発』福村出版,2008.5を執筆されている。ソーシャルワーカーとして見習うべき臨床家である。

【参考】
社会福祉法人神戸少年の町『2005年度「被虐待児の保護者支援ビデオ教材日本版の制作及び専門職講座の開催」事業 報告書』日本財団
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/00178/mokuji.htm


「『怒鳴らない子育て講座』親子に着実な改善効果 虐待防止対策で」『産経新聞』2014年4月11日

子育て支援児童虐待防止の対策として、神奈川県茅ケ崎市が全国に先駆けて導入したプログラム「怒鳴らない子育て練習講座」が着実に効果を挙げている。アンケートの結果、「子育てに自信がつく」と回答した数値が増加。同講座の受講者は約1400人に上り、市は受講者に対するフォローなども行いながら、子育て支援の改善につなげる。(川上朝栄)
 同講座は児童虐待防止のために米国で開発されたプログラムを基にしている。同市が平成22年度から導入したのを皮切りに、全国の自治体で同様のプログラムを取り入れる動きが広まっている。
 子供のしつけでは、「怒鳴る」のではなく、「ほめる」「説明する」といったことを基本に、講義やロールプレーイングを組み合わせる。1回2時間、全7回に分けて行い、対象者は3~12歳の子供を持つ保護者だ。
 具体的には、分かりやすいコミュニケーション▽効果的なほめ方▽自分自身をコントロールする教育法-などを学ぶ。子供が言うことを聞かないときに怒鳴っても、「子供は何で怒られたか分からないケースが多い」という。その場合、余計に子供が言うことを聞かなくなり、逆効果となることも多い。
 子供に対する接し方として、(1)「『着替えをしましょう』と言ったら『はい』と答えてきてほしいんだ」(2)「すぐ着替えたら幼稚園に行く前に遊ぶことができるでしょう」(3)「じゃあ一度やってみよう」-という順番で反復する。
 平成25年度に受講者らを対象に行ったアンケートでは「子供に分かる言葉を用いてしつけることができる」「感情的な表現を使わずにしつけることができる」といった問いに関し、独自にポイントを換算。子育てに関する親の行動を数値化した指標では、「自信を持って子育てを行うことができる」と回答した数値が受講前と比べて2割改善した。
 また、「子供の不安・抑うつ」について数値化した指標についても、受講前の3・8ポイントから2・1ポイントに減少するなど改善されたほか、落ち着きがないといった「子供の注意の問題の変化」の指標も3・8ポイントから2・8ポイントに下がるなど、子供の行動が良好に推移していることも分かった。
 一方、受講後しばらくすると、改善効果が停滞することも判明。「受講者に対するフォローも行っていきたい」(市こども育成相談課)と話している。