新刊案内

荒井浩道『ナラティヴ・ソーシャルワーク―“〈支援〉しない支援"の方法』新泉社,2014に続き、ポストモダンソーシャルワーク本が編著ではなく、単著で出る。いくつかのソーシャルワーク理論をまとめて紹介する本の1部で取り上げられていた時代から変化しつつあります。


小山聡子『援助論教育と物語―対人援助の「仕方」から「され方」へ』生活書院,2014.4

○著者略歴

ミシガン州立大学教育学部大学院リハビリテーションカウンセリング学科修了(MA)。日本女子大学大学院文学研究科社会福祉学専攻博士課程後期満期退学。現在日本女子大学人間社会学部社会福祉学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

○内容
私たちひとりひとりのより多様なありかたを保障し、権利侵害のない状況を保つために、そして多様な他者同士の間に生まれる摩擦を解消する知恵を獲得するために……
「より良いソーシャルワーカーになりたい、より良い後進を育てたい」そう言い募ることが難しい時代にあって、対人援助の領域で「物語」というキーワードをもとに紡いできた10年に渡る教育実践の成果。

○目次
まえがき
 
序章 
        1  私とソーシャルワーク
        2  ソーシャルワーク批判と物語
        3  方法かつ対象としての物語
        4  本書の目的と構成
 
第1章  対人援助と物語 
        1  本書における物語
        2  対人援助への批判動向
        3  問い直しの対象としての「受容・傾聴・共感」
 
第2章  概念理解と物語 
        1  「きつねのおきゃくさま」に見る援助論
        2  その他の物語と援助論
        3  今後に向けて
 
第3章  物語を通した他者理解 その1
        1  文学作品利用の意味と方法
        2  実際の取り組み
        3  まとめ
 
第4章  身体のコンテクスト-非言語メッセージのはらむ物語
        1  演劇的手法について
        2  首都圏A女子大学における試み
        3  授業実施結果と考察
        4  結論
 
第5章  語りの実験と物語 その1──恋愛2007
        はじめに  社会構成主義と教育
        1  方法
        2  1年間の授業内容
        3  恋愛2007(フリートークの分析)
        4  フリートークを踏まえたディスカッション
        5  最終リポートを踏まえたまとめ
        おわりに
 
第6章  語りの実験と物語 その2──むかしむかしあったとさ
        1  方法を構成する3つのアイデア
        2  物語作りの実験
        3  「お話」から見えたこと
        4  終わりに
        〈物語1~9〉
 
第7章  語りの実験と物語 その2──語りに立ち会うこと、語りを更新すること
        1  取り組みの意図とプロセスの概観
        2  方法
        3  結果
        4  考察とまとめ
        5  終わりに
 
終章  援助のされ方を学ぶ
 
あとがき