新刊案内

宮崎県にある精神科病院の前理事長水野昭夫氏の往診家族療法を取材した本。アウトリーチによる家族療法の効果について渋沢先生の論文で取り上げられていたが日本でも実践があったことを知る。

【関連】
精神科医 水野昭夫のホームページ
http://www.a-mizuno.e-doctor.info/index.html


宮淑子『ひきこもり500人のドアを開けた! ~精神科医・水野昭夫の「往診家族療法」37年の記録』ADOKAWA/角川マガジンズ,2014.5.12

○内容

37年間にわたり、ひきこもりの子どもたちと関わってきた精神科医・水野昭夫。彼の活動記録とひきこもりの青少年及びその家族の再生物語。
家族療法は、精神科領域ではよく知られた療法であるが、水野先生は、それを往診して行なっている。ひきこもりを抱える家族は、子どもを何とかして部屋から出して、病院に連れて行きたいと思うのだが、それが大変難しい。強制的に行なえば、親子関係に大きな禍根を残す。だからこそ、医者が自ら出向く「往診」が必要なのだ。
「いつまでもひきこもっていたら、心も体も弱っていく」と水野先生は言う。500人の子どもを外に出し、家族を再生させた水野先生の往診記録を紹介する。

○目次
目次
はじめに
第一章 「ひきこもり」という言葉の変遷
第二章 家族問題にこだわる精神科医の誕生
第三章 ひきこもり救出作戦――往診家族療法とは何か
第四章 「ひきこもり」問題を読み解く~水野へのインタビュー~
第五章 入院治療の新しいカタチ
第六章 治るとは――就労することの意義
取材を終えて
あとがきに代えて――筆者と水野さんとの関係