愛知県医療ソーシャルワーカー協会『医療ソーシャルワーク』102,第63巻,2014

愛知県医療ソーシャルワーカー協会『医療ソーシャルワーク』102,第63巻,2014が、発刊されました。なかなか県協会のHPに目次がUPされないので、日の目をみません・・・。
https://sites.google.com/site/mswlab/home/zasshi---iryou-sosharuwaku

【巻頭言】黒木信之 
【学会報告】
・山川万希子 MSWの退院援助についての患者及び家族の評価に関する考察
・大羽基貴 援助目標の分類化による当施設の実態把握
・荒川昴真 身元保証人契約の必要性を考えさせられた退院調整の一例
・服部由佳 住所不定妊産婦に対する支援の一例
・内藤まゆみ 地域でのネットワーク構築に向けた公立病院としての取り組み
【研究報告】
・水野大介 家族と疎遠になっていた一人暮らし高齢者へ成年後見人制度を検討した一例
・水野充江 高齢者虐待に関する院内委員会の設立と今後の課題
【委員会報告】
・加藤良子 新任者養成委員会報告
・石川将弘 介護保険関係研修委員会報告
・坂本理恵 退院援助研修委員会報告
・野田智子 専門研修委員会報告
林祐介 保証人問題プロジェクト委員会報告
林祐介 保証人問題プロジェクト委員会 アンケート調査結果報告

○印象に残った言葉
「地域では、当施設は在宅復帰に力を入れているというイメージが強く、在宅復帰が困難な症例の紹介を敬遠されている印象を受ける。しかし今回の結果を踏まえ、打診段階でその時点での割合から、在宅復帰困難な症例の受入れも検討できるといった柔軟な対応が可能になった。」p9
大羽基貴「援助目標の分類化による当施設の実態把握」pp.6-9


コメント:現入所者を入所目的で分類し、視覚化することで始めてできる取り組み。確かに、自施設に入所を希望する人が特別多く見込めなければ、在宅復帰に力を入れる分、稼働率も維持しなければいけないので、特養など施設入所待機者が5割程度いなければ稼働率が下支えできないであろう。

「研修の途中で講師から参加者に『今まで事例検討を行ったことが無い人』と質問をしたところ、ほぼ全員が挙手しました。アンケート結果からも、事例検討自体に馴染みがない方が多く、難しさを感じた参加者が多かったことがわかります。」p43
石川将弘「介護保険関係研修委員会報告」pp.39-43

コメント:事例検討を殆どの参加者が行ったことが無いという衝撃的な内容に、思わず「えっ!」と電車の中で声をあげてしまった。学生の段階での養成と、入職してからの養成。病院のSWと共に支援相談員もMSWとしての質の担保に課題を抱えている。それだけに、介護保険関係研修委員会の役割はますます大きい。小人数でも良いので毎月事例検討を行ってはどうか。