新刊案内

原佳央理『子ども虐待対応のための教育訓練実践モデル ―修正デザイン・アンド・ディベロップメント(M-D&D)を用いて』学術出版会,2014.12

○著者略歴
原 佳央理(はら かおり) 1976年生まれ 1999年聖心女子大学文学部卒業 2004年関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学 相愛大学人間発達学部准教授を経て、現在、同大学非常勤講師、博士(人間福祉) 著書 『子ども虐待ケース・マネジメント・マニュアル』(共著)有斐閣 2001年/『よくわかる社会的養護(第2版)』(共著)ミネルヴァ書房 2013年/『新・プリマーズ 児童家庭福祉(第3版)』(共著)ミネルヴァ書房 2013年

○内容
児童福祉司の教育訓練に関する問題解決をめざす! 虐待ケースに最前線で対応しているのは児童相談所児童福祉司であるが、虐待ケースに対応できる教育訓練の機会が、彼らに十分に与えられているとはいいがたい。研修の実施状況は、自治体間の格差が大きいといわれている。本書は、児童福祉司の教育訓練の選択肢のひとつとして、効率的に学習可能なICT教材を研究開発し、その手順と成果を詳述している。子ども虐待の分野のみならず、社会福祉援助者育成における実践モデル開発においても示唆に富む1冊!

○目次
刊行にあたって(芝野松次郎)
第1章 教育訓練実践モデル開発の目的と背景
第1節 研究の目的と背景
第2節 問題の所在
第3節 研究の目的と開発的研究の必要性
第4節 研究の特徴
第5節 実践の意義
第6節 MCOモデルからの理論的説明

第2章 教育訓練実践モデル開発の方法
第1節 実践モデルの開発の手続き:M-D&D
第2節 本書の構成と研究の手続き

第3章 M-D&Dに基づくモデル開発
第1節 児童福祉司の業務環境および現任研修の現状
第2節 エキスパート面接調査と叩き台のデザイン
第3節 教育ツールの施行と改良

第4章 研究のまとめと考察
第1節 子ども虐待ケース・マネジメント教育実践モデルのまとめ
第2節 最終的な子ども虐待ケース・マネジメント教育実践モデル
第3節 本研究の有効性と課題
第4節 本研究から教育訓練実践モデルへの敷延
参考文献
おわりに
索引


安梅 勅江ほか『いのちの輝きに寄り添うエンパワメント科学: だれもが主人公 新しい共生のかたち』北大路書房.2014.12


○内容
誰もが本来持っている力を引き出すエンパワメント。
保健医療福祉等の実践,企業や自治体等での活動から湧き出た「共感/共鳴する仕組みづくり」のヒントを満載。 身近な組織や環境で活用できる,基本的な考え方と方法を紹介。

○目次
第1部 理論編(いのちの輝きに寄り添うエンパワメント
エンパワメントの本質―個人/仲間/組織の共鳴
エンパワメント環境づくり
エンパワメント実現に向けた設計技術)
第2部 活用編(みんなで未来をひらく―夢実現への設計図
共感をつむぐ―当事者主体のしかけづくり
地域でともに生きる―絆育むパートナーシップ)
共生共感エンパワメントに向けて


岩間伸之『支援困難事例と向き合う―18事例から学ぶ援助の視点と方法』中央法規出版,2014.12


○内容

現場で多くの支援者が悩む「支援困難事例」。
第1部では18の支援困難事例を取り上げ、発生要因の分析を行った上で各事例への具体的なアプローチ法を示す。
第2部では、実践の根拠となる「価値」を見つめ、理論的な土台を学び、どのような事例にも対応できる実践力を養う。

○目次

第1部 支援困難事例と向き合う(サービス拒否
終末期
不穏 ほか)
第2部 支援困難事例を深める(“支援困難事例と向き合う”ことの意味
「支援困難事例」をとらえることの難しさ―「支援困難事例」の特性を考える
支援困難事例の3つの発生要因 ほか)
第3部 実践の根拠としての「価値」を極める(対人援助における「価値」の位置と重要性―知識・技術・価値の三位一体による援助
対人援助における「価値」の全体像―中核的価値・派生的価値・根源的価値の位置関係
中核的価値としての「本人主体」 ほか)

大橋謙策・白澤政和編『地域包括ケアの実践と展望―先進的地域の取り組みから学ぶ』中央法規出版,2014.12

○内容

地域包括ケアの推進に向けて、現場ではどのように取り組んでいけばよいのか。
先駆的に取り組んできた17法人を選定し、実践・構築の具体的内容・方法を紹介するとともに、地域特性に応じた取り組みのための重要な視点や方法を解説する。
地域包括ケア実践のための必読書。

○目次
序章 高齢化社会助成事業の目的・変遷と地域包括ケア実践の萌芽

第1章 地域全体を支える
第2章 新たな支えあいづくり
第3章 新しい生活支援サービスの構築(開発)
第4章 認知症の人を地域で支える
終章 地域包括ケアの今後の展開に向けて

倉持香苗『コミュニティカフェと地域社会――支え合う関係を構築するソーシャルワーク実践』明石書店,2014.11


○内容
誰もが気軽に立ち寄り 、自由に過ごすことができるコミュニティカフェ。法制度では対応しきれない社会的孤立などの現代的課題を解決する機能があると仮定し、著者自らが全国調査を実施。そこでの実践を開発型ソーシャルワークの文脈で捉えた意欲作。

○目次
序章 研究の課題と方法
第1章 戦後日本における地域支援活動
第2章 福祉コミュニティと開発を志向したソーシャルワーク
第3章 福祉コミュニティ形成の拠点としてのコミュニティカフェ――開発を志向したソーシャルワーク実践として
第4章 コミュニティカフェ運営の実態とスタッフのアプローチ――量的調査からの検討
第5章 コミュニティカフェの福祉コミュニティ機能――事例調査からの検討
第6章 開発を志向したソーシャルワークの実践有用性
終章 結論と今後の課題

謝辞
引用文献

山北輝裕『路の上の仲間たち—野宿者支援・運動の社会誌 (質的社会研究シリーズ7)』ハーベスト社,2014.11

○内容 本書は、名古屋市大阪市における野宿者支援(運動)団体への参与観察をもとに、現代日本における野宿者と支援者をめぐる関係性を記述し、社会学的に分析することを目的とする。被対象者に寄り添いながら野宿者/支援者を緻密に記述分析した本書は、まさに傑作エスノグラフィの誕生といえるだろう。 ○目次 1章 野宿者支援・運動の世界へ
2章 勝ち取ることの背中
3章 支援者からの撤退か、それとも……
4章 「当事者運動」と野宿生活の狭間
5章 野宿生活における「もめごと」
6章 野宿者をめぐる「依存する自立」のポリティクス
7章 協同の社会理論に向けて