「厚労省、指定難病を306疾患に 筋ジスなど追加、医療費助成」『北海道新聞』2015年03月19日

いよいよ今年の7月からの第2弾指定難病追加分が決まったようです。それぞれの職場での説明、なかなか苦労されているのではないでしょうか。特に、注意しなければいけないのは、これらの病名の中には包括的な病名であって、下位概念としての病名が複数存在する場合、指定難病として気づけない恐れがあることです。例えば、先天性副腎皮質酵素欠損症という指定難病は、下位概念として、次の病名が存在します。

1.リポイド副腎過形成症
2.21-水酸化酵素欠損症 (塩喪失型,単純男性化型,遅発型,無症候型)
3.3β‐水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症
4 .11β-水酸化酵素欠損症
5.17α-水酸化酵素/17,20-リア-ゼ欠損症
6.18-ヒドロキシラーゼ欠損症
7.P4 50 オキシドレダクターゼ欠損症

具体的には、主治医から「水酸化酵素欠損症」って指定難病でしたっけ?と問われた場合、現行の約100病名を検索しても当該病名は出てこないという事態が生じます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html

そのため、対策としては下位概念がある病名の場合は、ワードやエクセルに包括的な病名と下位概念としての病名の両方を表記しておき、検索できる様にしておくことが漏れを防ぐのに効果的と思われます。

他にも、ANCA関連血管炎は顕微鏡的多発血管炎、ウィリス動脈輪閉塞症はもやもや病など同じ病名でも複数の名称が存在する場合もあり、しっかりと部署内で共通理解できるよう対策が必要です。

【関連】
厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会(第11回) 資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000078331.html


厚労省、指定難病を306疾患に 筋ジスなど追加、医療費助成」『北海道新聞』2015年03月19日
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0113512.html

厚生労働省の検討委員会は19日、難病医療法に基づき医療費を助成する「指定難病」の2次選定分として、先天性ミオパチーや筋ジストロフィーなど196疾患を了承した。1月に助成を始めた1次選定分と合わせて指定難病は計306疾患となり、約150万人が対象になる。7月の助成開始を目指す。
 指定難病は、厚労省の難病対策委員会が2012年に従来の56疾患(約78万人)から約300疾患に拡大する方針を示し、下部組織の検討委の審議を経て14年10月に110疾患を選んだ。検討委はさらに追加すべき疾患があれば、病気のデータが得られた段階で検討するとしている。