新刊案内

黒木信之編『患者さんにそのまま見せる!診療科別医療福祉相談の本』日総研,2015/3

○内容
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○コメント
社会資源の活用という点において重要な一冊。新人MSWはまず型から。今回は、在宅療養マニュアルを追加とのこと。



NPO法人日本医療ソーシャルワーク研究会編『医療福祉総合ガイドブック2015年度版』医学書院,2015/4/9

○内容

利用者の視点で一覧できるから、
必要な制度が見つかる! わかる! 活用できる!
複雑な医療・福祉制度が、端的な本文、効果的な図表を通してわかりやすく解説されています。
ソーシャルワーカー、看護師など医療・福祉の専門職向けの書籍ですが、生活場面に沿って解説されているので、一般の方でも利用しやすいつくりになっています。
2015年度版では,介護保険法改正,各種医療福祉サービスの最新情報をフォローし,
Ⅷ章に「『地域包括ケア』構築のために」を追加しています。

○目次
I 社会保障のしくみ
II 医療サービス
III 生活費としごと
IV 高齢者サービス
V 障害児・者サービス
VI 家庭・児童(子ども)のために
VII 自然災害等にあった人のために
VIII 「地域包括ケア」構築のために
資料編

○コメント
2001年に初版が登場して14年。改定を重ね、こちらも新人医療ソーシャルワーカーにとっては手放せない一冊。



小嶋章吾・嶌末憲子『M-GTAによる生活場面面接研究の応用~実践・研究・教育をつなぐ理論~ (M-GTAモノグラフシリーズ) 』ハーベスト社,2015/3/23

○目次

M-GTAモノグラフ・シリーズの刊行によせて
(木下康仁、小倉啓子、水戸美津子)
はしがき
第1章 M-GTAによる生活場面面接研究に至るまで~事例研究を中心に~
1.問題意識
2.研究の意義と目的
3.研究の方法と結果・考察
4.結論と今後の課題
第2章 M-GTAを用いた利用者の「持てる力を高める」プロセスの検討
1.M-GTAを用いた生活場面面接研究の契機と意義
2.研究方法
3.概念生成
4.カテゴリー生成
5.結果図及びストーリーラインの作成
6.生活場面面接の定義
7.結果及び考察 ~カテゴリー別の概念及び相互関係~
8.M-GTAの体験的考察
9.生活場面面接の理論の体系化に向けて
   ~M-GTA活用の展望~
第3章 研究者による「生活場面面接体系化のためのプロセス理論」の修正
1.教育・研修を通じた修正
2.「生活場面面接体系化のためのプロセス理論」の修正結果
3.生活場面面接プロセス概念一覧
第4章 M-GTAを用いた生活場面面接研究の応用例
1.研究面への応用
2.実践面への応用
3.教育面への応用
4.政策面への反映
資料 M-GTAによる研究結果の応用例
資料1 ストレングス視点にもとづいた在宅要支援・要介護高齢者への支援(石田好子)
資料2 特別養護老人ホームのケアワーカーが生活場面面接が行える条件(佐藤 遼)
資料3 利用者の自立支援を促すサービス提供(相談援助)について(入江幸子ほか)
資料4 特別養護老人ホームにおける生活場面面接の研修について検討(宮崎則男)
資料5 生活場面面接の現任者研修のあり方について(協力:横塚満里)
資料6 解題「連載 生活場面面接を学ぶ
付録 生活場面面接研究一覧
あとがき

○コメント
M-GTA関連本。



ジョナサン・M・メツルほか編( 細澤 仁ほか訳)『不健康は悪なのか――健康をモラル化する世界』みすず書房,2015/4/17

○内容

なぜ私たちは、健康でなくてはいけないのだろうか? 
メディアによって作られる美意識、公共広告によって喧伝される道徳
――今日の「健康」という概念には、医学的問題を超えたイデオロギーが含まれている。
本書は医療人類学、生命倫理学、文化人類学フェミニズム研究、
文献学、障害学、法学など、多様な立場の著者たちが多面的な切り口で
「健康とは何か」を解き明かす挑戦的な一書である。

○目次
第1章 イントロダクション――なぜ健康に異議を唱えるのか?(ジョナサン・M・メッツル)
第I部 ところで、健康とは何なのだろう? 
第2章 健康とは何なのだろう? そして、どうしたら健康になれるのだろう?(リチャード・クライン)
第3章 肉体の肥大に伴う危険性――肥満、摂食、そして、「健康」の曖昧さをめぐって(ローレン・バーラント)
第4章 グローバル・ヘルスへの異議?――健康を通して、科学、非科学、そしてナンセンスを調停すること(ヴィンカンヌ・アダムス)
第II部 道徳から見た健康 
第5章 遺伝子時代、健康をめぐっての社会的不道徳――人種、障害、不平等(ドロシー・ロバーツ)
第6章 肥満パニック、そして新しき道徳(キャスリーン・ルベスコ)
第7章 (ときには)おっぱいに育児に異議を唱える(ジョアン・B・ウルフ)
第III部 健康と疾患を造り出すこと 
第8章 製薬業界のプロパガンダ(カール・エリオット)
第9章 受動‐攻撃性パーソナリテイ障害の奇妙にも受動‐攻撃的な歴史(クリストファー・レーン)
第10章 強迫性障害の氾濫――精神医療への異議(レナード・J・ディビス)
第11章 原子力への異常な愛情――あるいはいかにして原子力爆弾は死に関するアメリカ人の考え方を変えたのか(ジョセフ・マスコ)
第IV部 健康になった後の快楽と苦痛 
第12章 健康のためにはどれくらいセックスしなければならないのか?――無性愛という悦び(ユンジュン・キム)
第13章 備えよ――サバイバーシップは癌患者の義務なのか?(S・ロッホラン・ジェイン)
第14章 苦痛の名のもとに(トビン・シーバース
第15章 結語――来たるべき健康とは?(アンナ・カークランド)

○コメント
「第13章 備えよ――サバイバーシップは癌患者の義務なのか?」が気になる。


下重暁子『家族という病 (幻冬舎新書)』幻冬舎,2015/3/25

○内容
日本人の多くが「一家団欒」という言葉にあこがれ、そうあらねばならないという呪縛にとらわれている。しかし、そもそも「家族」とは、それほどすばらしいものなのか。実際には、家族がらみの事件やトラブルを挙げればキリがない。それなのになぜ、日本で「家族」は美化されるのか。一方で、「家族」という幻想に取り憑かれ、口を開けば家族の話しかしない人もいる。そんな人たちを著者は「家族のことしか話題がない人はつまらない」「家族写真入りの年賀状は幸せの押し売り」と一刀両断。家族の実態をえぐりつつ、「家族とは何か」を提起する一冊。

○目次
序章 ほんとうはみな家族のことを知らない(家族とは何なのか
なぜ私は家族を避けてきたのか)
第1章 家族は、むずかしい(家族を盲信する日本人
なぜ事件は家族の間で起きるのか ほか)
第2章 家族という病(家族のことしか話題がない人はつまらない
家族の話はしょせん自慢か愚痴 ほか)
第3章 家族を知る(介護で親子は互いを理解する
親は要介護になってはじめて弱い姿をわが子に見せられる ほか)
第4章 旅立った家族に手紙を書くということ(家族を知ることは自分を知ること
父への手紙―冬の雷 ほか)

○コメント
家族をめぐる言説を知るのによい。