MSW×質の評価

知人にお送りしたメールの内容を一部修正して掲載。

○「MSWの退院支援実践の自己評価マニュアル」『(研究代表者 白澤政和)平成25年度日本学術振興会科学研究費補助金ソーシャルワークの評価方法と評価マニュアル作成に関する研究』2014
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-22243040/22243040seika.pdf

コメント:現時点で退院支援にまつわるMSWの業務評価指標として最も活用しやすいのではないか。各指標ごとに定義や評価の視点などが掲載されており評価のバラつきを抑える効果も期待できる。残念なのは指標がネット上にUPされていないこと。

○南彩子ほか『ソーシャルワーク専門職性自己評価』相川書房,2004

■内容
21世紀に入り、社会情勢がめまぐるしく変化している。そのような変化に対応し、社会の要請に応えうるより資質の高いソーシャルワーカーが、ますます求められるようになってきた。わが国では、後発の専門職であるといわれているソーシャルワーカーという専門職集団の専門職性に関しては、他の職種の専門職性と比較してさまざまな議論が展開されてきたが、筆者らは、高い専門職性をもつソーシャルワーカーの理念型を描くところから出発し、完全専門職への道を模索しつつ、個人的努力によって近づきうる部分と、社会的・外的条件の整備・充実によって近づきうる部分とを明らかにしていきたいと考えた。

■目次
第1部 ソーシャルワークの専門職性と自己評価(ソーシャルワークにおける専門職性
ソーシャルワーク専門職性自己評価の方法―本書の使い方
自己評価のためのガイドライン)
第2部 自己評価尺度開発に至る研究経過(専門職性研究の系譜
Social Work Proficiency Inventory作成に至る研究経過)


○「急性期病院におけるソーシャルワーカーの実務基準と質指標(クオリティーインジケーター、QI)の開発に関する実践研究 」『(研究代表 笹岡眞弓)厚生労働省科学研究費補助金政策科学総合研究事業』2014
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD02.do?resrchNum=201301007B

コメント:MSW個人というよりはMSWの所属部署総体としての質指標に関する研究成果。
http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/Download.do?nendo=2013&jigyoId=131011&bunkenNo=201301007B&pdf=201301007B0007.pdf
のp147-148に具体的に使用する評価項目が掲載されている。

なお、笹岡ら(2015)は本研究の結果、「米国ではQIよりJDがSWの実践で使用されているのがわかった」(p149)と指摘し、スタッフSWと管理者SWのJDを提示している。
※JD・・・Job Description(職務明細書)

笹岡眞弓ほか「医療ソーシャルワーカーの職務明細書(Job Description)の開発に関する実践研究」『文京学院大学総合研究所紀要』15,2015,pp.147-156

○「がん相談対応評価表」『厚生労働科学研究費補助金がん臨床研究事業「(研究代表 高山智子)相談支援センターの機能の評価と地域における活用に関する研究」』2012
http://ciscweb.ncc.go.jp/mod/resource/Pid=511_view.html

コメント:「第Ⅴ部 がん相談支援の質の管理と維持」『がん専門相談員のための学習の手引き~実践に役立つエッセンス~(第2版)』2014,pp152-154
http://ganjoho.jp/data/hospital/consultation/files/gakushu_guide02.pdf  
で紹介されている。がん相談支援センターを対象としているが、MSW全般に通じる評価項目。