新刊案内(その2)

中村剛編『自分の将来を考えている"あなた"へ これがソーシャルワークという仕事です: 尊厳を守り、支え合いの仕組みを創る』みらい,2016.9.8

○内容
ソーシャルワーク現代社会に必要な仕事だが、その実態は見えにくい。本書は自分の将来を考えている高校生をはじめとした読者に、ソーシャルワークの内容とその本質、魅力、必要性をわかりやすく届けるよう心がけた。本書をきっかけにソーシャルワークを知り、ソーシャルワーカーを目指す人が増えてほしいという願いを込めた新しい入門書。

○著者略歴
1963年 埼玉県に生まれる
大阪大学大学院文学研究科文化形態論(臨床哲学)専攻
博士後期課程修了 博士(学術)
19年間,社会福祉施設(知的障害者入所更生施設,知的障害者通所授産施設,養護老人ホーム)に支援員,相談員として勤務
現 在 関西福祉大学社会福祉学部 教授
専 門 福祉哲学,社会福祉原論

○目次
第1部 学生とソーシャルワークの間に橋をかける(ソーシャルワークと学生を結びつける
子どもの貧困、あなたはどう思いますか?)
第2部 これがソーシャルワークです(ソーシャルワークとは何か
現代社会において必要なソーシャルワーク
ソーシャルワークの魅力とやりがい)
第3部 ソーシャルワーク教育によって身につく力(人間性を育む教養教育
実践力(専門性)を修得する専門教育)
第4部 私はソーシャルワーカーです(まちで活躍するソーシャルワーカー
人間と社会の「未来」を切り拓くソーシャルワーカー)

 


山岡淳一郎『長生きしても報われない社会: 在宅医療・介護の真実 (ちくま新書) 』筑摩書房,2016.9.5

○内容
長い療養が必要な病気にかかったとして、安静に過ごせる居場所はあるだろうか。「病院から地域へ」という掛け声のもと、地域包括ケアシステム、在宅医療が推奨されているが、その内実は患者をないがしろにするものが多い。そういった環境で、私たちは安心して長生きし、死を迎えることができるのだろうか。在宅医療・介護や看取りの身近な現場から認知症医療、そして地域、自治体、国へと枠を広げながら、日本の医療の問題点とそこに残された可能性を探る。

○著者略歴
1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。東京富士大学客員教授。「人と時代」「21世紀の公と私」を共通テーマに近現代史、政治、医療、建築など分野を越えて旺盛に執筆。時事番組の司会も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

○目次
第1章 在宅医療の光と影(「看取る」から「あやめる」の悲劇
なぜ一線を越えてしまうのか ほか)
第2章 亡くなる場所が選べない(「死を待つ家」
「看取り難民」に直面する日本 ほか)
第3章 認知症と共に生きる(地域・家族から見捨てられた人が行き着く先
居心地のよさが落ち着きを生む ほか)
第4章 誰のための地域包括ケアなのか(大都市向けのシステムが地方に
住民による住民のための医療法人 ほか)
第5章 資本に食われる医療(在宅医療はいくらかかるのか?
高額療養費制度という下支え ほか)


稲葉剛『貧困の現場から社会を変える (POSSE叢書)』堀之内出版,2016.9.10

○内容
下流老人、貧困女子……。一億総中流社会の崩壊がより深刻な今、貧困問題はだれにとっても人ごとではありません。ではどのようにしたら、そうした問題を解決したり、未然に防いだりすることができるのでしょうか。長く貧困問題の現場に関わり、さまざまな提言や制度改革に取り組んできた著者が記す、貧困社会を変える希望の1冊。用語解説もついて、誰でもよみやすく、わかりやすいようになっています。

○著者略歴
1969年広島県生まれ。NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事。著書に『鵺(ぬえ)の鳴く夜を正しく恐れるために―野宿の人びととともに歩んだ20年』(エディマン、2014年)、『生活保護から考える』(岩波新書、2013年)、『ハウジングプア』(山吹書店、2009年)など。

○目次
第1章 私が取り組んできた生活困窮者支援
第2章 権利としての生活保護
第3章 バッシングと差別
第4章 拡大する住まいの貧困
第5章 自立支援を問う 第6章 対談・藤田孝典×稲葉剛

○コメント
藤田孝典「稲葉さんと貧困やソーシャルワーク、ソーシャルアクションについて対談したものが掲載されています。社会福祉士など有資格者への苦言も述べられています。ぜひお読みください。」(2016.9.10ツイートより)


佐藤優ほか『分断社会ニッポン (朝日新書)』朝日新聞出版,2016.9.13

○内容
賃金にみる正規・非正規の格差、 男女間の格差は広がるばかり。 「1億総活躍社会」を唱えるだけでは何も変わらない。 今、最優先でやるべきことは何か? 異色の最強トリオが語り尽くす! 世帯所得が歴史的低下を続け、家計貯蓄率はゼロに接近。 働いても食えない、貯蓄できない。 そんな社会に広がるのは、転落におびえる「中間層」の叫びだ。 所得、世代、地域、性別など社会のいたるところに入った無数の分断線を埋めるにはどうしたらいいのか。

○目次
第1章 正規・非正規をどうするか
第2章 高齢者問題をどうするか
第3章 子どもの貧困問題と本当の教育
第4章 税金と財源の問題
第5章 成長するし、幸福にもなる
第6章 「国民の物語」をどう描くか