二木立『2.講演録:「新福祉ビジョン』と『一億総活躍プラン』・『「我が事・丸ごと」地域 共生社会実現本部』資料を複眼的に読む-福祉拡大の好機だがソーシャルワーカーには危機になりうる、それを克服する道は?」『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻147号)』2016年10月1日,pp8-15

二木立「2.講演録:『新福祉ビジョン』と『一億総活躍プラン』・『「我が事・丸ごと』地域 共生社会実現本部』資料を複眼的に読む-福祉拡大の好機だがソーシャルワーカーには危機になりうる、それを克服する道は?」『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻147号)』2016年10月1日,pp8-15
http://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/20160901-niki-no147.html#toc2

2016年9月17日に開催された、「我が事・丸ごと地域共生社会」をめぐる緊急討論集会における、二木先生の「問題提起」文章全文。

緊急企画でしたが、160人の参加があったとのこと。「本集会の全記録は後日SCSがまとめることになってい」るそうなので、そちらも早く読みたいところです。

印象に残った文章は、以下の通り。
・「現時点で私が得た情報では、現実に『共通の基礎課程』の創設の導入が検討されている、または検討が予定されているのは、人材不足が社会問題化している保育士と介護福祉士、および介護福祉士准看護師だけです。さらに私は、今後、介護福祉士・保育士または介護福祉士准看護師のダブル資格を取得しやすくなったとしても、両資格が規定している職務を同時に行える職場は、専門職の不足が特に深刻な中山間僻地の施設や地域包括ケアに限定されると予測しています。そしてこれらの地域・職場では、ダブル資格を持っている職員は大きな戦力になると思います。

それに対して、ソーシャルワーカー資格の改革については、厚生労働省もまだ明確な方針を持っていないようです。それだけに、ソーシャルワーカーの養成団体や職能団体が積極的でしかも現実的な改革案を示すことが求められているし、そうすれば、それら(の一部)が実現する可能性は十分にあると思います。」(p13)

・「厚生労働省社会福祉士養成カリキュラムの見直しの検討が本年12月~来年1月に予定されているとの情報を得て、急遽スピードアップしました。9月26日の社会保障審議会第19回福祉部会で配布予定の「資料4 今後の福祉人材確保専門委員会について」の「今後のスケジュール」では、「平成29年[2017年]1月」までに、『社会福祉士のあり方について議論等、2回程度を想定』と書かれているそうです。」(p14)

・(ソ教連特別委員会『最終報告(案)』におけるソーシャルワーカー養成教育の改革のための中長期的な視点と論点)「ソーシャルワーカーの共通資格制度の創設を展望する必要。」(p14)

■コメント
社会保障審議会福祉部会(福祉人材確保専門委員会)いずれも、養成団体と職能団体からは、以下のメンバーが参加。

上野谷加代子 一般社団法人日本社会福祉士養成校協会副会長
鎌倉克英 公益社団法人日本社会福祉士会会長

議論する内容(案)としては、以下の3点が例示されている。

社会福祉士のさらなる活躍の場の創出について
•専門性の高い社会福祉士の養成について
社会福祉士に対する理解促進について

日本社会福祉士会、日本医療社会福祉協会、日本精神保健福祉士協会からは、一連のやりとりについて声明および要望書は執筆時点ではHPに公開されていない。

■関連資料
・「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」厚生労働省新たな福祉サービスのシステム等のあり方検討プロジェクトチーム・幹事会平成27年9月17日
・一億総活躍国民会議ニッポン一億総活躍プラン平成28年6月2日
厚生労働省第1回 「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部 資料平成28年7月15日
・「資料4 今後の福祉人材確保専門委員会について」厚生労働省第19回社会保障審議会福祉部会 資料平成28年9月26日