新刊案内

池上直己『日本の医療と介護 歴史と構造、そして改革の方向性』日本経済新聞出版社,2017年3月30日


〇内容
●医師、看護師、介護関係者、製薬会社、患者、医療費を払う国民、そして政治の利害調整の上に成り立ち、非常に複雑な仕組みとなっている日本の医療介護制度の仕組みをわかりやすく解説。
●増大する医療・介護費や、高齢社会でのサービス提供体制に懸念が高まるなか、本書では、現在の仕組みの成り立ちと経緯を丹念に明らかにし、現実的かつ実行可能な改革案を探る。
●「日本の医療費が他の先進国と比べると高騰が抑えられたのはなぜか」「地域格差はなぜ生じたか」「明治維新以来、どのようにして西洋医療にスムーズに移行できたのか」「介護と医療はどう連携していけばよいのかか」「新薬オプジーボはなぜ高価格となり、そして値段が下げられたのか」など様々な具体例を盛り込みながら、現代の日本の医療・介護構造が理解できる。

〇目次
1章 医師と病院の成り立ちと直面する課題
2章 医療保険制度の成り立ちと直面する課題
3章 診療報酬の仕組み--全体の概要
4章 診療報酬の仕組み--包括評価
5章 診療報酬の仕組み--薬と医療材料
6章 医療計画の歴史と課題
7章 介護の歴史と介護保険の制度設計
8章 介護保険の課題とその対応
9章 終末期ケアの特性と課題
10章 終末期ケアに対する現場の対応
11章 残された課題と改革試案    

〇コメント
平易な文章で本質を外さず解説。二木先生と合わせて今月末の新刊は豊作。

東京大学高齢社会総合研究機構編『東大がつくった高齢社会の教科書: 長寿時代の人生設計と社会創造』東京大学出版会,2017年3月30日

〇内容
★「高齢社会検定試験」公式テキスト
★『東大がつくった 確かな未来視点を持つための 高齢社会の教科書』(ベネッセ刊)の改訂版
「高齢化最先進国」である日本。この人生100年時代に人生設計をどうするか、社会システムの構築をいかに行うか。健康、就労、お金、介護、年金、テクノロジー、まちづくり…高齢化に関わる基礎知識を学び、安心で活力ある未来をめざすための一冊。ビジネス、行政、NPO、大学、そしてあらゆる個人に必携。「高齢社会検定」公式テキスト。

〇目次
[総論]
第1章 超高齢未来の姿
第2章 超高齢未来の課題
第3章 超高齢未来の可能性――課題解決に向けた方向性
[個人編]
第4章 長寿時代の理想の生き方・老い方
第5章 高齢者の活躍の仕方――就労・社会参加・生涯学習など
第6章 高齢者の住まい
第7章 高齢者と移動
第8章 高齢者の暮らしとお金
第9章 高齢者の暮らしを支える資源
第10章 老化の理解とヘルスプロモーション
第11章 認知・行動障害への対応
第12章 最期の日々を自分らしく
[社会編]
第13章 超高齢社会と社会保障
第14章 医療制度の現状と改革視点
第15章 介護・高齢者福祉の現状と改革視点
第16章 年金政策の現状と改革視点
第17章 住宅政策・まちづくり
第18章 交通・移動システム
第19章 ジェロンテクノロジー
第20章 高齢者と法――自己決定と本人保護

〇コメント
高齢者ビジネスはあまたあれど、高齢社会に関する知識を問うことがビジネスになっているとは…。高齢社会検定(事務局:高齢社会検定協会)

椋野美智子・ 田中耕太郎『はじめての社会保障 -福祉を学ぶ人へ 第14版』有斐閣,2017年3月24日

〇内容
2016年制度改正完全対応。誰を対象とする制度か、給付されるのは何か、その費用は誰が払っているのか、誰が責任をもって運営しているのかなど、1つの制度の構造がつかめたら、比較しながら別の制度を学ぶことにより、立体的に理解することができます。2016年中の法改正・最新のデータに対応した決定版テキスト。

〇内容
序 章 社会保障の見取り図
第1章 医療保険──病気やけがをしたら
第2章 生活保護社会福祉制度──人らしい生活を保障する
第3章 介護保険──介護サービスを利用しやすく
第4章 年 金──老後の生活費は
第5章 雇用保険──失業したら
第6章 労働者災害補償保険──働く場でけがをしたら
第7章 社会保険と民間保険──2つの保険,その特徴は
第8章 社会保障の歴史と構造

〇コメント
社会保障を学ぶための教科書の決定版。学生向け。

太田義弘・ 中村佐織・安井理夫『高度専門職業としてのソーシャルワーク: 理論・構想・方法・実践の科学的統合化』2017年3月20日

〇内容
ソーシャルワークの理論と実践の架け橋となる方法論を展開。大学のテキスト、現場の実践指導の実用書として活用可能。

〇目次
第1部 基礎と理念(ソーシャルワーク実践考察の前提と課題
ソーシャルワークの意義と概念
ソーシャルワーク実践の原点
高度専門職業への進展)
第2部 視座と理論(実践理論と方法の多様性
実践モデルとしてのエコシステム構想
鍵概念としての生活概念と支援概念
エコシステムへの視座と構想)
第3部 実践方法と領域別課題(エコシステム構想の展開
実践フィールドでの構想展開
支援レベル領域での実践過程
スーパービジョンと支援ツール)

〇コメント
太田・中村らによる一連の研究の最新版。

平木典子『改訂増補 心理臨床スーパーヴィジョン―学派を超えた統合モデル』金剛出版,2017年4月28日

〇内容
昨今、スーパーヴィジョンの重要性はますます高まっている。
2012年に刊行した初版に、著者が統合的心理臨床スーパーヴィジョンに至るまでの前史と、スーパーヴィジョンが面接と同時進行するライブスーパーヴィジョンの記述を加え、改訂増補とした。

〇コメント
ライブスーパーヴィジョンの箇所を読みたいです。