東京都医療社会事業協会『医療ソーシャルワーク』65号,2017

久しぶりに日本福祉大学名古屋キャンパスの図書館へ。東京都医療社会事業協会『医療ソーシャルワーク』65号,2017を手に取ると「【特集】アスベスト問題とは~現状と課題~」と記載されており、医療ソーシャルワーカーではなく患者・家族の記事が掲載されていた。
http://www.tokyo-msw.com/top_links/annai/hondana.html

とても新鮮な特集だと思った。

特に印象に残ったのは、湊万里子「扉を患者の方に向かって空けていてください」pp.

21-22。

以下、一部引用。

中皮腫と診断されたその足で、主治医に言われるままに私たちはMSW室の扉を叩きました。その時はその部屋に行く意味が分かっていなかったので、確定診断を受けた直後の私たちと、MSWの話は噛み合いません。若いMSWは中皮腫をよく知らないのか、説明は不十分でした。幾ばくかの一時金を受け取れる、医療費が免除されるという説明だったと思います。「詳しくは保健所で聞いてください」と面談は終わりました。

私たちは残された時間を手続きに費やす暇はないと思ったので保健所に行きませんでした。のちに労災の手続きはしたのですが、それは「中皮腫アスベスト疾患 患者と家族の会」の相談員のアドバイスを受けたからでした。

診断された直後の患者と家族に気持ちの余裕などないのです。この時にMSWがしっかりと関わってくれていたら、と今思います。
今日のMSWの実態を垣間見たように思う。援助力の向上、患者・家族からの学び、従事者数が増え退院支援花盛りの中で、やるべきことは多い。

都協会の企画力に拍手。