新刊案内
『精神科治療学』Vol.33 No.3 2018年3月号
〈特集〉オープンダイアローグと精神科臨床
〇内容
フィンランドの人口6万人の一地方で行われている統合失調症の画期的な治療技法に世界が驚愕。その名は、オープンダイアローグ(開かれた対話)。従来の精神科医療にパラダイムシフトをもたらした。入院なし、薬物も使わず、開かれた対話で行う統合失調症の治療実践が、驚異的な治療成果をあげている。着々と積み上げられる納得のエビデンス。本特集では、わが国へ導入する際の様々な困難を乗り越えた取り組みをあますところなく紹介。オープンダイアローグを日常臨床に取り入れる際に必読の特集。
〇目次
特集にあたって
岩井圭司
「無知の姿勢」と「二人称の時間」─臨床における対話とは何か─
野村直樹
オープンダイアローグの日本への導入に際して懸念されること
斎藤 環
ネットワークの生成と対話ミーティング─未来語りのダイアローグ実践を通じて─
高木俊介
ケースワークとオープンダイアローグ
長沼葉月
未来語りのダイアローグ─もう一つの基本プロセス─
白木孝二
フィンランドでのオープンダイアローグ─現地での臨床活動の実際─
下平美智代
対話の場には3つの段階があるという考察─精神科クリニックでの実践から─
森川すいめい
家庭内の暴力に対するオープンダイアローグの応用
森田展彰
精神保健福祉センターの訪問支援におけるオープンダイアローグ的対話の試み
石川真紀
オープンダイアローグと当事者─フィンランドの精神保健政策とオープンダイアローグ─
石原孝二
小児科臨床の立場から─未来語りのダイアローグを中心に─
紀平省悟
オープンダイアローグにエビデンスがあった─初回精神病エピソードに対する有効性は確立した─
齊尾武郎
対話と「治療」について─H.S. Sullivan の思想と発展から─
阿部大樹,須貝秀平,継松 力 他
〔座談会〕オープンダイアローグのわが国への導入,展開にあたっての希望と不安
斎藤 環,村井美和子,渡邉博幸,岩井圭司(司会)