新刊・これから出る本案内

村上須賀子編『地域包括ケア時代の 医療ソーシャルワーク実践テキスト』日総研、2018.9.11
http://www.nissoken.com/book/1875/index.html

〇内容
目の前の患者に必要とされるMSWになる!
対応の指針が実践例でわかる
●MSWをこれから目指す人のための教科書
●新人MSWの必須知識が学べる
●相談援助に行き詰まりを感じた際、実践例から指針を得る
●地域包括ケア時代に退院支援の枠を越えたMSWの役割がわかる

〇目次
http://www.nissoken.com/book/1875/contents.html

埋橋孝文編『貧困と生活困窮者支援: ソーシャルワークの新展開』法律文化社,2018.10.10

〇内容
相談援助活動の原点を、伴走型支援の提唱者である奥田知志氏の講演「問題解決しない支援」に探り、家計相談事業と学校/保育ソーシャルワークの実践例から方法と課題を明示。領域ごとに研究者が論点・争点をまとめ、理論と実践の好循環をめざす。

権丈善一『ちょっと気になる政策思想: 社会保障と関わる経済学の系譜』勁草書房,2018.8.31

〇内容
社会保障というシステム」の根本からわかりやすく学び、教えるための入門書第3弾。所得をどのように分配すれば経済の活力は高まるのか?政策がどのような前提から導き出されているものか自覚のないまま行われる社会保障論議の愚を説き、前提・思想を自覚した政策形成を提言。所得再分配政策の在り方を経済学説の系譜から考える。

〇目次
応用編1(社会保障政策の政治経済学―アダム・スミスから、いわゆる“こども保険”まで)
理論編(社会保障と関わる経済学の系譜序説―サミュエルソンの経済学系統図と彼のケインズ理解をめぐって
社会保障と関わる経済学の系譜)
応用編2(合成の誤謬の経済学と福祉国家
公的年金保険の政治経済学
研究と政策の間にある長い距離―QALY概念の経済学説史における位置
パラダイム・シフトほど大層な話ではないが切り替えたほうが望ましい観点
医療と介護、民主主義、経済学)

日本家族心理学会編『福祉分野に生かす個と家族を支える心理臨床 (家族心理学年報)』金子書房,2018.8.29

〇内容
マルトリートメント(不適切な養育)、養育里親、発達障害、依存症、認知症など、福祉分野で生きる個と家族を支える心理臨床を考える。

〇目次
1 福祉分野に生かす個と家族を支える実践(総論 福祉における最近の動向(福祉における個と家族支援の今日的課題
福祉制度・社会資源の活用とケースマネジメント(更生保護) ほか)
各論 こども・障害者・里親・高齢者・依存症・地域支援(マルトリートメントと子育て支援
親の離婚・再婚を経験した子どもと家族の支援 ほか))
2 家族臨床心理学研究・実践の最前線(児童虐待(マルトリートメント)と脳科学
新たな家族支援のかたち―ヤングケアラーの実態と支援への展望)
3 日本家族心理学会第34回年次大会「家族のかたち―今、あらためてシステム論を考える」より(システム論を再考する
公認心理師家族心理学)
資料 家族心理学関連文献一覧

栄セツコ『病いの語りによるソーシャルワーク-エンパワメント実践を超えて』2018.10.15


〇内容
近年,精神障害者の地域移行や地域生活支援が提唱されるなかで,精神障害者の支援も単に個別支援やグループの支援だけではなく,地域そのものに理解を求めたり,地域生活に必要な資源を開発したりする必要性が強まってきた。精神障害者の場合は,特に偏見をどのように低減していくかが大きな課題となっている。抑圧的な環境のなかで,パワーレスな状態にある精神障害者が一人の市民としてのアイデンティティを確立し,本人自身が抑圧的な社会環境を変えていく方策を解明することが喫緊の課題と言える。
本書では,精神の病いを患うことでパワーを喪失した人々がどのように自らの声を取り戻し,病いをもちながらも自分らしい生活を再構築していくのか,その当事者と協働する援助専門職のエンパワメントに基づく支援モデルを提示した。 その支援の独自性として,当事者の病いの語りに着目したことが挙げられる。病いの語りには精神の病いを経験することで得た生活の知恵が織り込まれていることに価値を置き,その語りがもつ力を,ミクロレベルを超えてメゾレベル,エクソ・マクロレベルの実践に活用する活動を試みた実践である。その一方で,エンパワメント実践を試みる援助専門職がもつ権力性にも言及している。
広く精神障害者の支援に携わるソーシャルワーカーの方々に読んでいただき,ソーシャルワーカーのメゾレベル,エクソ・マクロレベルの実践の可能性を考える機会になれば幸いである。

〇目次
解題:立岩真也
はじめに
第1部
序 章 私の当事者研究
第1章 エンパワメントを志向するソーシャルワーク実践の理論的枠組み
第2章 エンパワメントと病いの語りの関連性
第2部
第3章 語り部グループ「ぴあの」の教育講演会活動の実践的枠組み
第4章 当事者が物語る病いの語り
第5章 「リカバリーの物語」の生成過程における援助専門職の機能と役割
第6章 公共の場における語りは精神障害者に何をもたらしたのか
第7章 公共の場における語りが社会変革をもたらす可能性
第3部
終 章 エンパワメントを志向する実践を超えて
あとがき
文献