新刊案内

ジェーン・ワナコット(野村豊子ほか訳)『スーパービジョントレーニング:対人援助専門職の専門性の向上と成長を支援する』学文社,2020年8月10日

〇内容
多くの対人援助専門職に刺激を与え、思考を柔軟にし、スキルの向上と成長を促進するためのスーパービジョン実践に貢献することを目的に邦訳された待望の一冊。
本書では、スーパービジョンの理論紹介にとどまらず、スーパービジョン実践に役立つ具体的な方法の提示、スーパーバイザーを養成するための研修プログラムの提示も行っている。本書は、日々、クライエント、家族、組織、地域への支援にかかわりながら模索する対人援助専門職であるスーパーバイジーと共に歩むスーパーバイザーにとって、スーパービジョンの視野を広げ、双方の成長を確かなものとするはずである。

〇目次
第1章スーパービジョンはどのような違いをもたらすのか
第2章スーパービジョンの統合アプローチ ─4×4×4モデル
第3章スーパービジョン関係を形成する
第4章スーパービジョンで生じる感情に積極的に働きかける
第5章最前線の実践をスーパービジョンする ─葛藤への働きかけ
第6章実践力を高めるためのスーパービジョン
第7章状況に応じたスーパービジョントレーニング─スーパーバイザーを支援し,成長させ,支持する
レーニングパック
セッション

原拓也社会福祉学における人権論』大学教育出版,2020年8月10日

〇内容
社会福祉学という学問はどのように構想できるか。社会福祉学において人権論はどのように構想できるか。衰退する基礎研究(社会福祉原論)を若手研究者が捉え直す。

〇目次
第1章 社会福祉学とその人権論の到達点
第2章 社会福祉学の目的
第3章 福祉の理念としての人権
第4章 福祉文化論とその人権論
第5章 人権文化の条件

フレデリック・G・リーマー( 秋山智久訳)『ソーシャルワークの哲学的基盤』明石書店,2020年8月6日

〇内容
ソーシャルワークにおける哲学、価値、倫理とは何か。社会福祉の実践的な課題を哲学の問題に結びつける本書は、専門職としてのソーシャルワーカーのあり方を考える上での道標となる。ソーシャルワークにかかわる教員、学生、実践者のためのテキスト。

〇目次
序章 哲学的基盤の学問的検証
第1章 政治哲学
第2章 道徳哲学
第3章 論理学
第4章 認識論
第5章 美学
終章 ソーシャルワークにおける哲学の位置

監訳者解説 秋山智久
参考文献

久保田 純『母子家庭へのソーシャルワーク実践モデル』風間書房,2020年6月30日

〇内容
筆者が長年実施してきた支援を必要とする母子家庭へのソーシャルワーク実践について、ソーシャルワーカーの有用な知識を研究した書。

〇目次
序章 本書の枠組み
第1章 母子家庭支援のソーシャルワーク実践における「実践知」
第2章 母子家庭をめぐる社会的状況
第3章 当事者‐ソーシャルワーカー関係
第4章 事例研究1“典型例による仮説の精緻化”:子どものネグレクトを抱える母子家庭への支援事例
第5章 事例研究2~5“「『揺らぎ』に基づく合意形成」の類型仮説の生成”
第6章 事例研究6“仮説の効果検証”:当事者支援システムにおける「『揺らぎ』に基づく合意形成」を意図的に実践した事例
終章 母子家庭へのソーシャルワークにおける「『揺らぎ』に基づく合意形成」

鄭煕聖『独居高齢者のセルフ・ネグレクト研究』法律文化社,2020年7月10日

〇内容
綿密な文献研究と当事者への聞き取りを基に、予防・支援モデル構築のための基礎的知見を提供。国内外の66文献から構成概念の抽出と再定義を試み(第I部)、9名のライフヒストリーや思いから発生要因と過程、支援ニーズを明らかにする。

〇目次
なぜ高齢者のセルフ・ネグレクト研究に取り組むのか
第1部 本研究の学問的背景と理論的検討(独居高齢者の直面する問題をめぐって
セルフ・ネグレクトの研究動向
セルフ・ネグレクトをめぐる倫理的・学術的課題
セルフ・ネグレクトの理論的検討)
第2部 当事者視点に基づく質的分析(研究方法・対象者の属性
ライフヒストリーからみた調査対象者の生活史
セルフ・ネグレクトの発生要因とそのプロセス
セルフ・ネグレクト高齢者のニーズを探る)
セルフ・ネグレクト予防への挑戦

香山 芳範『成年後見制度の社会化に向けたソーシャルワーク実践』法律文化社,2020年7月10日

〇内容
成年後見制度の社会化に向けた社会福祉協議会の役割を考察した理論と実践の書。明石市社会福祉協議会の具体的事例を通して、成年後見の社会化を実現するための全過程を考察し、市民の主体性を育むことの重要性も提起する。

〇目次
第1章 成年後見制度と日常生活自立支援事業を判別するために―アセスメントシートの活用
第2章 緊急時の金銭管理における支援のあり方―成年後見制度か日常生活自立支援事業か
第3章 成年後見制度における申立費用の負担―望ましい費用負担のあり方とは
第4章 市民後見人養成プログラム―市民自らが活動の担い手となるために
第5章 成年後見制度利用支援事業の役割
第6章 後見基金の設立とその効果―成年後見制度の社会化と地域福祉の推進を目指して
第7章 総合相談窓口における多機関・多職種連携―積極的権利擁護による本人らしい生活の実現

鏑木奈津子『市民参加型の在宅緩和ケア体制:地域共生社会の実現に向けたソーシャルワーク実践』風間書房,2020/6/30

〇内容
在宅緩和ケアに関する国内外の研究および政策動向を整理。市民と専門職が協働するチームアプローチの可能性に焦点を当て、専門職性の高い住宅緩和ケア体制に、一般市民が参画することへの意義について論じる。

〇目次

第1部 政策動向と先行研究レビュー(緩和ケアの定義と名称
在宅緩和ケアに関する制度政策の変遷
医療連携モデルに関する先行研究レビュー
日本における緩和ケアボランティアに関する先行研究
諸外国における緩和ケアボランティアに関する先行研究
市民参加型を在宅緩和ケアに関する先行研究)
第2部 市民参加型の在宅緩和ケア体制の形成と展開(調査目的と調査概要
A組織の概要および調査結果
B組織の概要および調査結果)
第3部 市民参加型の在宅緩和ケア体制を運営する組織の共通点―A組織およびB組織の比較分析(調査概要
結果
まとめ)
第4部 総括(本研究から得られた主な知見
チームアプローチによる市民参加型の在宅緩和ケア体制を構築するうえで求められる条件
本研究の限界と今後の課題)