佐柳進『不運を不幸にしない―高次脳機能障害との共生を』2020年7月24日

著者は、元厚生労働省官僚の医師。ご自身の娘さんが出産時に脳血管疾患を発症。その後重度の後高次脳機能障害を患う不運を不幸にしないために取り組んだことを綴った作品とのこと。医師であり国策担当経験がある当事者の親という立場で書かれた文章に興味が湧きました。『週刊 社会保障』の書評で知りました。鶴舞図書館にも蔵書があることを確認。また、借りて読みたいと思います。


佐柳進『不運を不幸にしない―高次脳機能障害との共生を』2020年7月24日

〇内容
わが子の出産を目前に控えたある一人の女性(愛称“Pちゃん”)は、陣痛の最中に病魔に襲われ、重度の高次脳機能障害を患うことになった。幸せの絶頂から一転、苦難のどん底に突き落とされても、多くの人々に支えられて、「不運を不幸にしない」歩みを続ける。―突然の発症から2年間に渡って、生死を賭けた病魔との闘いと、懸命のリハビリを克明に描くドキュメンタリー(第一章)と、重度の高次脳機能障害を患いながらも、幸せを求めて創意工夫する日々を、医師である父親の目を通して綴るエッセイ集(第二章)。

〇著者
佐柳進
医学博士。特定医療法人茜会昭和病院長。東亜大学人間科学部特任教授。1949年香川県生まれ。1974年山口大学医学部卒業。1980年大阪大学大学院医学研究科社会系修了。1981年厚生省入省。1987年厚生省健康政策局総務課保健医療技術調整官。1989年岩手県環境保健部長。1993年厚生省薬務局監視指導課長。1995年千葉県衛生部長。1998年厚生省健康政策局研究開発振興課長。1999年厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課長。2001年厚生労働省大臣官房厚生科学課長。2002年国立下関病院長。2004年国立病院機構関門医療センター病院長。2015年退官後に現職。専門領域は健康政策、総合診療(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

〇目次
1 第1章 まさかの坂(生と死の闘い(その日は突然やってきた
2 緊急帝王切開 ほか)
3 懸命のリハビリ(声が出る、しかし記憶がない
4 急速に身体回復 ほか))
5 第2章 あらたな道へ(もたらされた障害(重度の記憶の障害―一つ一つ身体で覚える
6 瞬間を生きるということ―ジョークを交えて、楽しく過ごす ほか)
7 障害を乗り越えて(内なるもう一人の彼女
8 環境の調整が大切 ほか))

■関連
高次脳機能障害 共生へ苦悩と光 下関・昭和病院の佐栁院長 次女の歩みをつづり出版」『山口新聞』2020年8月26日
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/e-yama/articles/14255