「周りは『別れちゃえば』、医療現場も認識不足… 精神疾患の家族サポートが届かぬ理由」『Yahoo!ニュース』2021年1月4日

「周りは『別れちゃえば』、医療現場も認識不足… 精神疾患の家族サポートが届かぬ理由」『Yahoo!ニュース』2021年1月4日
https://news.yahoo.co.jp/byline/otsukareiko/20210104-00214221/

とても、フィーリングの合う内容でした。


プロフィール

蔭山正子(かげやま・まさこ)

大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻公衆衛生看護学教室/准教授/保健師

大阪大学医療技術短期大学看護学科、大阪府立公衆衛生専門学校を卒業。病院看護師を経験した後、東京大学医学部健康科学・看護学科3年次編入学。同大学大学院地域看護学分野で修士課程と博士課程を修了。保健所精神保健担当(児童相談所兼務あり)・保健センターでの保健師としての勤務、東京大学大学院地域看護学分野助教などを経て現職。主な研究テーマは、精神障がい者の家族支援・育児支援保健師の支援技術。

以下、一部転載。

 病院も、家族支援をしてほしいんですよ。病院はまず、診察室に本人しか入れなかったりして、家族に説明がないこともあります。病気になった本人が家族を悪く言うこともあるので、そちらの味方になって、なかなか配偶者の話を聞いてくれなかったり。一人の病気の人を支援するときに、その人には四六時中一緒にいる家族がいて、その人たちの生活に多大なる影響を及ぼしている、ということを医療者にまず理解していただいて、ご家族がソーシャルワーカーに相談できるようにするとか、それはすごくやっていただきたいです。

(中略)

――『心病む夫と生きていく方法』を読んでいると、「そんなにひどい暴言や暴力を受けるなら離婚したほうが…」というふうにも思ってしまいますが、他人のその言葉が配偶者をより苦しめる、ということも書かれていました。

 やっぱり、本来のその人の魅力があったから当人たちは結婚しているわけです。本のなかにも、病状がすごく良くなったら元に戻ったという人はいましたし。だから、周囲は「別れちゃえばいいじゃない」「別れなさい、別れなさい」と言うけれど、そんな簡単にはいかないものなんだなというのは私も思いました。

■関連
「『どうしちゃったんだろう、この人?』配偶者が精神疾患に…家族の知られざる困難」『Yahoo!ニュース』2020年12月30日
https://news.yahoo.co.jp/byline/otsukareiko/20201230-00214215/