「2021新春メッセージ:ソーシャルケアサービス研究協議会」2021年1月7日

「2021新春メッセージ:ソーシャルケアサービス研究協議会」2021年1月7日が公表されました。同協議会がYouTubeで情報発信するのはこれが初です。

ソーシャルケアサービス研究協議会とは、「社会福祉士精神保健福祉士及び介護福祉士を中軸として、医療、看護等の分野と連携しつつ、社会福祉の専門職団体、専門職養成組織団体、社会福祉関連研究団体・学会の協働のプラットホームとして、相互に協力した調査研究、情報交換等を通してネットワーク化を図り、互いの共通理解を深めるとともに、自らの専門性を高め、社会福祉の充実・前進に貢献することを目的」とした団体です。社会福祉の専門職団体として日本社士会・日本P協会・M協会がそれぞれ構成団体になっています。

主に、国会議員と福祉業界とをつなぐプラットホームであり、今般の地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院厚生労働委員会)で、

「1、重層的支援体制整備事業について、同事業が介護、障害、子ども及び生活困窮の相談支援等に加え、伴走支援、多機関協働、アウトリーチ支援等の新たな機能を担うことを踏まえ、同事業がより多くの市町村において円滑に実施されるよう、裁量的経費を含めて必要な予算を安定的に確保するとともに、既存の各種事業の継続的な相談支援の実施に十分留意し、その実施体制や専門性の確保・向上に向けた施策を含め、市町村への一層の支援を行うこと。また、同事業を実施するに当たっては、社会福祉士精神保健福祉士が活用されるよう努めること」

という文言を盛り込むのに、同協議会の存在なくしては成しえませんでした。

また同協議会は毎年、国会議員を交えた「新年を祝う社会福祉関係者賀詞交歓会」を開催しています。
https://www.jaswhs.or.jp/guide/info_detail.php?@DB_ID@=437

しかし、今年はコロナで中止。その代わりに今回の「2021新春メッセージ」の動画配信となった次第です。

同協議会が支援している超党派の「地域共生社会推進に向けての福祉専門職支援議員連盟」(会長:田村憲久 厚生労働大臣)の幹事議員らの挨拶、各職能団体代表の挨拶などが収録されています。

地域共生社会推進に向けての福祉専門職支援議員連盟の関連記事
https://www.fukushishimbun.co.jp/topics/22387

「それぞれ大人の挨拶」であって、具体的なことはそれ程話していませんが、中央で行われているマクロレベルでのソーシャルワークのロビー活動の一端を知る良い機会ではないかと思います。またコロナ禍だからこそ、このような機会を得ることができたとも言えます。

単純に、田村厚生労働大臣社会福祉士について言及する場面を観る機会はなかなか貴重と思います。こういう活動が我々の仕事のしやすさ・活躍を後押ししてくれる訳で、実際に取り組まれている方々のご努力には本当に頭が下がります。

なお白澤会長は、挨拶の中で日本ソーシャルワーク教育学校連盟において「子ども家庭ソーシャルワーク教育課程認定事業」に取り組む考えであることに言及しました。同連盟において先行しているスクールソーシャルワーク教育課程認定事業の枠組みを踏まえるものと思います。これは、「子ども家庭福祉に関し専門的な知識・技術を必要とする支援を行う者の資格の在り方その他資質の向上策に関するワーキンググループ」での議論に関連した、養成校側の提案と思われます。学部の段階から特定の分野(児童)に関する専門的知識・技術を習得することの不十分さが指摘されていた訳で、それに対応した形です。但し、医師や看護師もそうですが学部教育はその職種のジェネラリストを養成することが本旨であり、卒後の初期臨床を踏まえ、専門分野(スペシャリティ)を自分で定めてさらなるトレーニングを積むのが一般的なので、生涯教育として学部や大学院で習得するコースが充実することを望みます。