熊谷忠和・四方克尚『保健医療分野におけるソーシャルワーカーの位置付けに関する現状と課題』日本医療社会事業協会,2005.4

にわかに医療ソーシャルワーカーの資格問題について議論が巻き起こっている。片田舎で働いている私にも伝わってくるのだから、恐らく相当なものだろう。基本的な立場は次の2つ。

第1に、社会福祉士が基礎資格でありそれ以外の国家資格は求めない、という立場

第2に、医療ソーシャルワーカー独自の資格を求める、という立場

日本医療社会事業協会が作成した上記報告書の中に確認しておくべき事項が4点あったので、メモ書きまでに。なお調査対象者は、『2004年度版病院要覧』医学書院に掲載されていた9,078病院の施設長である。回収率48.2%(N=4,383)。

・SWの設置は年々増加しており、1990年より急増しさらに2000年以降急激に増加している。特に一般病院において増加傾向が著しい。(p8)

・SWの42.1%が社会福祉士資格・・(中略)・・を取得している。(p10)

→v.s 37.5%が介護支援専門員資格を取得している。(p10)

・SWの86.3%が専任でSW業務に就いている。(p10)

SWの年齢と社会福祉士取得者、介護支援専門員取得の有無と業務形態(専任/兼任)のクロス集計が見てみたい。

2000年以降に配置されたSWは、介護支援専門員との兼任率が高いと予想するが、実際はどうなのだろうか。介護保険施行以後、介護支援専門員とSWの業務の異同について議論がなされたが、結果として専任のSWが増えたのであれば、それは興味深い事柄である。

実感に比べて、SW自体の設置は増加傾向にあるという点は正直驚いた。