ソーシャルワークとケースワーク

専門分化したケースワーカーにもっとも望まれるものは、「ソーシャル・ワーク全体に対するケースワーカーのセンス」であり、「その全体と部分との関連について、ケースワーカーのもつべきセンス」である。ケースワークが、ソーシャル・ワークに統括された、広い領域から離れているならば、それは、単なるひとつの断片にすぎないであろう。

メアリー・リッチモンド(小松源助訳)『ソーシャル・ケースワークとは何か』中央法規,1991

社会福祉の諸サービスが政策的に拡大していけばいくほど、それを個々人の個別的なニードと適切にかみ合わせる作業が、きめこまかく行われなければならない。たとえ社会保障社会福祉の制度がかなり高度の水準に達しても、専門職としてのソーシャル・ワーカーに対する要請は強まろうし、ケースワークの果たす役割は重要である。(第2版はしがきより)

仲村優一『ケースワーク 第2版』誠信書房,1980.3

ただ勉強していた頃には何とも思わなかったが、今のわたくしの心には大変響く言葉である。やはり、道に迷っている時だからこそ、道しるべとして本を読むべきなのであろう。