06年度介護報酬/介護老人保健施設

厚生労働省老健局は、11月25日、介護保険施設の報酬・基準に関する論点を社会保障審議会介護給付費分科会に示している。その中で、介護老人保健施設に関する論点が記述されていたのでメモ。 論点①について 「在宅復帰を報酬上で評価するらしい」と、噂では以前から聞いていたが、情報源が不明だったためここでは取り上げてこなかった。しかし、正式に論点として示されたので掲載した。さて、どのような基準を提示してくるのか、あるいは、論点のまま立ち消えるのか。今後の動向に注目する必要がある。 論点②について 実際の業務において、数日間(老健では6泊/月の制限有)の外泊を試験的に実施する場合、介護保険施設入所者は、介護保険在宅サービスを利用できない。そのため、ともすると本当に家に帰った場合に想定される在宅生活(ベッド・車椅子をレンタル。日中は、ヘルパーや通所サービスを利用させて主介護者の負担感を軽減するといった方法)よりももっと過酷な生活(福祉用具実費貸与。サービス利用なしで、主介護者が付きっ切りで面倒を看る)を本人・家族に強いることになってしまう。 その場合、とりあえず1泊の試験外泊を実行するのだが、数日間かけて様子を見ないと分からない本人の状態変化(身体面/認知面)を家族が知らないままに試験外泊終了してしまうことがある。そういう時に限って、昼夜逆転傾向の方がよく眠っていたり、あるいは頻尿が無かったりして、家族も「これなら大丈夫かしら」と認識してしまう。その後、口頭で施設内での悪い状態についても補足説明するのだが、家族は体験している訳ではないため実感がわかず、結果、実際に在宅に戻った時に、「こんな大変だとは思いませんでした・・・」となってしまうことがある。 この辺りのジレンマが解消されるのであれば、一定層のグループはよりスムーズに在宅へと移行できるかもしれない。 第35回社会保障審議会介護給付費分科会資料(WAM NETより)


以下、上記審議会資料より引用。 ①「老人保健施設をはじめ、在宅復帰の支援を積極的に行っている施設を評価する観点から、平均在所期間が一定以下の施設であって、かつ、年間の退所者に占める在宅復帰者の割合が一定以上の施設について評価を行うことが考えられるがどうか。」(p.15) 表 介護保険三施設の平均在所期間、平均在宅復帰率の比較(平成15年介護サービス・事業所調査)                       特別養護老人ホーム 老人保健施設 介護療養型医療施設 退所者の平均在           1.429.0日      2 3 0.1日      3 5 9.5日 院・在所日数  家庭への退所の割合      2, 7%        3 9. 2%      17. 9% ②「施設入所者が居宅において、一定期間サービスを利用しつつ在宅復帰に備える『試行的退所』について報酬上の評価を行うことが考えられるがどうか。」(p.21)