「多職種チームによる介入が重要第11回日本緩和医療学会開催」『週刊医学界新聞』(第2692号 2006年7月24日)

リンク 6月23-24日,神戸国際展示場(神戸市)で開かれた、第11回日本緩和医療学会(主催:日本緩和医療学会)の参加レポート。世の中には、色々と活躍しているMSWがいるものだなー。オンコロジー(腫瘍学)ソーシャルワーク。いつかきちんと向き合いたい分野。日本緩和医療学会で、06年7月7日現在、MSWの会員数は44名(全体の約1%)とマイノリティーであるにも関わらず、MSWの扱い方が興味深い。 関連文献:齋藤安弘『援助する視点 福祉問題としてのがん対策を中心として』相川書房,1998 以下、引用。


「外来化学療法における緩和ケアについて松岡順治氏(岡山大)が,氏の病院における取り組みを紹介。外来時に看護師が患者に副作用や体調などの看護診断を行い,必要な場合には制吐剤などの追加増量を医師に連絡。医師は検査後にクリニカルパスの基準に従い薬剤をオーダー。そして薬剤師が医師の処方を確認し照会することにより,投薬が適正か確認している。また治療だけではなく,経済的な相談をソーシャルワーカーが担当することで,患者の心理的負担を軽減できるなど,多職種により取り組むことのメリットを説明した。」 「田村里子氏(東札幌病院)がソーシャルワーカーの役割として,(1)第三者的立場から患者と家族の気持ちを医療者につなぐ,(2)急性期医療の対象としての患者家族の意識を緩和ケアへつなぐ,(3)医療機関内の緩和ケアを地域につなぐ,の3点を挙げた。そして最後に有機的な医療チームアプローチのために必要なものとして,(1)互いの専門性に対する理解と尊重,(2)自己の専門性の向上,(3)メンバーの一員としての創造性の活性化,(4)共通言語の獲得と医療チームカンファレンスの重要性,を強調し壇を降りた。」
田村里子氏 プロフィール(「東札幌病院「ホスピスケア」より) たむら さとこ/1957年生まれ。北星学園大学社会福祉学部卒業。85年東札幌病院相談室(MSW課)ソーシャルワーカー、93年MSW課課長、99年より診療部副部長を兼務。専門はオンコロジーソーシャルワーク社会福祉士。日本緩和医療学会理事。