第160回 東海病院管理学研究会(07.2.1)

講師:伊関友伸城西国際大学経営学助教授:同氏Blog) テーマ:地域医療・自治体病院 崩壊の現状と展望 会場:名古屋大学鶴友会館2階会議室 主催:東海病院管理学研究会


本日、上記テーマにて研究会に参加。以下、忘れないうちに参加メモ。 ・講師は、現在財政再建中で有名な夕張市にある夕張市立総合病院の経営診断のため経営アドバイザーとして病院再建に参画している。 ・300床以上の一般病院(1304病院)のうち、25%が地方公共団体立。 ・夕張市立総合病院のH18.7.31現在の入院患者のうち70歳以上の患者が86.75%。 ・若い患者は、札幌市内や岩見沢市立総合病院へ行ってしまう。 ・夕張市立総合病院は、19床の有床診療所と40床程度の老人保健施設からなる夕張医療センターに変更予定。 ・住民説明会では、今でも総合病院の存続を望む声もある。 ・片山泰輔跡見学園女子大学助教授)『指定管理者制度で何が変わるか』水曜社,2004.10 ・指定管理者制度 2003年6月地方自治法が改正され、指定管理者制度が導入。指定管理者制度の導入により、行政及びそれに類似する団体が独占していた公共施設の管理を民間が行えるようになった。 ・(病院の)指定管理者にも2つのパターン ①既存の民間医療法人が運営を委託。 ②病院職員メンバーが中心となって医療法人を立ち上げ運営を委託(自立型) 具体例:新大江病院京都府) 司会:宮治眞(愛知県医師会地域医療人材育成センターセンター長) ・どんなに良い組織でも1~2割は必ずドロップ・アウトする。全員がやめない組織は異常だ。その1~2割のスタッフを上手くコントロールするのがトップの役割である。 ・自治体病院の建て直しを図る場合、市民委員を入れることは慎重に。そのことが時に医療を崩壊させる。抽象的な議論や理想論を要求してしまい、医師の士気がダウンして辞めてしまう。自治体・地域にあるリソースをきちんとマネジメントする必要がある。 ・(奈良県大淀町の町立大淀病院で起きた妊婦死亡事件について。マスコミ報道の加熱により地域の産婦人科医が次々と退職し、結果地元の妊婦が困っているという会場からの話を受けて。)マスコミとジャーナリズムは分けて考えるべき。報道の責任を取るべきはマスコミ。ジャーナリズムは紳士に聞き入れることが必要。