「座談会 変革の時代の病院経営-医療制度改革への対応を探るd-」『社会保険旬報』№2312,2007.4.11,pp.14-21

融資側と、医療・介護経営研究者と、複合体理事による診療・介護報酬への対応および、連携に関する座談会。 ○座談会メンバー 独立行政法人福祉医療機構理事 小田清一(司会) 静岡県立大学院経営情報学研究科教授 小山秀夫 医療法人近森会理事 近森正幸 医療法人財団河北総合病院理事長 河北博文 医療法人社団永生会理事長 安藤高朗 以下、印象に残った箇所を転載。


小田:20年4月から新医療計画が施行され、(中略)新医療計画の2つの柱のうち1つは病床規制で、これはこれまでもありましたが、もう1つは医療連携ということで、4疾患5事業別に各医療機関を指定して、その名前を医療計画の中に掲載して連携を図っていくということですが、4疾患5事業の患者数は相当な数にのぼるため、経営に大きな影響がでるのではないかと考えます。(p14) 小山:連携すれば効率的になって医療費が下がるのではないかと医療に関係ない人たちは思っているでしょう。まったく逆です。連携がどのくらい大変だと思いますか。1件ずつ診療所の先生に相談して、パスを作って、患者を出して、ソーシャルワーカーをいっぱい雇ってやっと連携ができるわけです。病院がどれだけ努力しているかというコストを全然みないで連携しろ、拠点病院にしろと、机上で言うのは簡単ですが、地域の中で連携システムを作るのに5年、10年の歳月と、莫大な金がかかっているわけです。それを全然無視している。これを公立病院はやらない、大学病院は一切やらない。東京都内の大学病院のMSWの平均人数を調べましたが、4人しかいないわけです。これでは連携なんてとれない。(p15) 以下、続く。