2007年厚生労働省関連の国家試験合格状況

社会福祉士の合格率は、厚生労働省関連の国家資格中最低の27.4%。つまり、受験者4人のうち3人が不合格となる状況下にある。やはり、採用に当たって国家資格の取得が必須条件ではないことが、受験者の合格への動機付けを低くさせてしまっているのだろうか。あるいは、単に学力が低いのか・・・。 出展:「第101回医師国家資格合格者発表」『週間医学界新聞』第2731号,2007年5月14日号 以下、白澤政和氏(日本社会福祉士養成校協会会長:大阪市立大学教授)のコメントが今後の社会福祉士資格を考えるにあたって重要と思われる。多職種との共同研究をされている同氏ならではの視点であろう。 「今の国家試験は偏差値の高い学生ならパスしやすい内容だ。これでは本当の意味での専門性の担保にはならない。これからは大学や一般養成施設が責任を持って実践能力の高い人材を養成し、一定の水準に達しない学生を教育の中で振るい落としていく仕組みが必要だ。その意味では、今回の改革をもとにソーシャルワーカーとしての最低限の教育を担保して国家試験を受ける体制にしたい。したがって、国家試験は座学、演習、実習を通して学んだことを確認するような、ほぼ全員が合格することを前提とした内容にしていくべきだと考える。」 「以前とは異なり、今、保健、医療、福祉の連携が求められる中で、社会福祉士は具体的に何が出来るのかが問われている。その時に社会福祉士として胸を張って対応できるものを身につけさせてやらないと学生に申し訳ない。今の社会福祉士教育は医師が医師を育てるというような関係になっていないという認識を我々教員はもっと持つべきだ。」 出展:「養成団体インタビュー」『週刊福祉新聞』2007年4月9日