ポスト・コムスン

コムスンは、一連の不正事件の結果、同社の運営する介護事業所の新規開設が2011年度まで凍結となり、既存事業所は今後更新不可となった。実質的な廃業処分である。本年5月末現在全国に約2081カ所ある事業所が、結果的に更新時期との関係で2011年には426カ所しか存続出来ないこととなり、現在のおよそ5分の1の規模に縮小せざるを得なくなった。 利用者の規模(約6万5000人)からして、社会的混乱が生じるために、厚労省はきっと大きくは動かないであろうと思っていた自分の認識が甘かった。「不正は、許さない」。これは、他の介護事業所に対する厚労省の強いメッセージとも受け取れる。今後、大手介護サービス会社であるニチイ学館ジャパンケアサービスの動向も気になる。 また私の関心事は、今後コムスンの各介護事業所に勤める代表者以外の能力のあるケアマネやその他のスタッフに対する他事業所からの引き抜き合戦である。特にケアマネは、利用者も「セット」でついてくる可能性があるため、他事業所からすれば相当うま味がある。先手必勝であろう。 【関連】 「コムスン:厚労省、介護不許可 撤退は不可避か」『毎日新聞』2007年6月6日 「コムスン処分逃れ、都の警告再三無視」『読売新聞』2007年6月6日 『厚生労働省老健局振興課・介護保険指導室 介護保険最新情報 vol.13株式会社コムスンの不正行為への対応等に係る記者発表について (07/6/6)』