それぞれの業

昨晩、学生時代にバイトでお世話になったお店の大将が亡くなったと連絡をもらい、通夜に行って来た。会場には、大将の早すぎる死を惜しむ100人以上の人々と、残されたおかみさんと小さな子どもたちが集まっていた。それだけ多くの人を引き付ける魅力が彼にはあった。 私は、高校2年生から大学院1年までの6年間に渡り、そのお店でお世話になった。今では考えられないが、シフトというものがなく、私は好きな時に出勤し、好きな時に休んでいた。しかし大将からそのことで咎められることは一度もなく、むしろ私の進路についてポジティブな助言をいつもくれた。このお店で働いたことで、働いて収入を得るということ、色々な人と一緒に働くこと、同時に色々な作業をこなすこと、食の奥深さを学ぶことができた。今の私を基礎作ったのはまぎれもなく、このお店だった。葬儀会場に集まった当時のバイト仲間と大将の死を惜しみつつ、昔話に華が咲き、涙あり笑いありのとても心温まるお通夜だった。これもまた、大将の人柄のおかげであろう。 当時の知り合いは、それぞれの人生を歩み、それぞれに業を背負って一生懸命生きていた。みんな頑張って生きているんだな、と思ったら何だか力が湧いてきた。 大将、今まで本当にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠り下さい。 また、餃子食べに行きますね。