研修7日目

あと残り3日。体調は、めずらしく調子良いです。今日と明日は、演習があるので大変そうだ。


1限 「コーチング」 講師:安部昌伊 氏(コーチ21国際連盟マスター認定コーチ) 【内容】 コーチングの定義と原則、3つの基本的なスキルについて説明した上で、コーチングフローを用いて、実際にロールプレー。 コーチングフローの図 coaching.gif 出典:@IT自分戦略研究所HPより 【印象に残った文章・言葉】 コーチングの定義 その人が目標達成に必要なスキル、知識、ツールが何であるかを見つけ出し、それをテーラーメードで備えさせるプロセスである。 コーチングの原則 ①双方向(インタラクティブ) ②個別化(テイラーメイド) ③継続して関わる(オンゴーイングコーチングの③種類の基本的なスキル 1)相手に安心感を与え、信頼関係を構築する=相手の聞く耳を開かせるスキル ①聞く、見る ②ペーシング ③アクノレッジメント 2)相手から情報や提案を引き出していくスキル 3)相手に要望、提案を伝えていくスキル (提案する時のポイント) ①相手から引き出してから提案する ②許可をとる(1つ提案してもいいですか?) ※提案を採用するかどうかの選択権は相手にあるから ③正論よりも具体的エピソードで話す ・「なぜ+過去の出来事」の構文は、相手にとって質問ではなく詰問に聞こえる。そのため、「何が原因で+過去の出来事」の構文か「どの様に+未来」の構文で質問するとニュートラル。 ・「なぜ+過去の出来事」の構文は、上手くいった時に用いる。(例:なぜ、あの時上手く切り抜けることが出来たんですか?) ・レセプターを主体的に設けてもらうためにする質問(例:○○について、うかがってもいいですか?) 【感想】 はやりものはあまり好きではないので、少し構えて話を聞いていたが、実際は初任者にとって、とても分かり易い講義だった。特に3色のボールを用いてコミュニケーションの効果・受ける印象について説明する教授法は、とても有効だと思った。抽象的な内容になりがちなコミュニケーションに関する講義を、具体的なイメージを持って聞くことができた。学生時代にこういう授業があったら良かったのに。コーチ21は1997年に創業。なお、講師は上智大学社会福祉学科卒の元MSW。色々な人がいるものだ。MSWの研修において「面接技術の基礎知識」というタイトルで講義に加えても十分有用であろう。下手な講義よりよっぽど教授法が上手い。 【評価】 ○ 【参考】 ・アルバート・マレービアン(西田司他共訳)『非言語コミュニケーション』聖文社,1986
2限 「ソーシャルワーク実践-専門的業務と記録の意味-」 講師:高山恵理子 氏(上智大学総合人間科学部社会福祉学科準教授) 【内容】 ソーシャルワーカーにとっての記録の意味、目的、具体的記載方法について講義。また、ビデオを利用して、記録作成の演習も行った。 【印象に残った文章・言葉】 ・SWの記録を書いている人手を挙げて下さい(ほぼ全員が挙げる)。数年前までは、ここで同じ質問をしても手を挙げる人は少なかった。随分と記録を書くようになりましたね。 ・10年前ケース記録の目的は、「忘れないため」でした。現在は、以下3点のため。 ①専門職としての責務 ②専門職として責任ある仕事をするため ③自己研鑽のため ・いい記録といい実践はリンクしている。厚生労働省『医療ソーシャルワーカー業務指針』2002における記録の記述をよく読んで欲しい。「援助をもとに」ではないことに注意。記録がなければ業務を行ったことを証明できない。援助の根拠が無いことを意味している。
 (7) 記録の作成等 ① 問題点を明確にし、専門的援助を行うために患者ごとに記録を作成すること。 ② 記録をもとに医師等への報告、連絡を行うとともに、必要に応じ、在宅ケア、社会復帰の支 援等のため、地域の関係機関、関係職種等への情報提供を行うこと。その場合、(3)で述 べたとおり、プライバシーの保護に十分留意する必要がある。 ③ 記録をもとに、業務分析、業務評価を行うこと。
【感想】 講師は、元松山リハビリテーション病院のMSW。その後立正大学社会福祉学部を経て現職。「いい記録といい実践はリンクしている。」という言葉は、私にとって名言である。電子カルテソーシャルワーク記録については、解説にあまり十分な時間が割かれず、聞きたいことが聞けず。残念。 【評価】 △ 【参考】 ・副田あけみ他『ソーシャルワーク記録―理論と技法』誠信書房,2006 ・岡村重夫『ケース・ワーク記録 その原則と応用』誠信書房,1980 ・日本医療社会事業協会『記録用紙一式』(※東京都医療社会事業協会HPよりリンク)
晩:MSWの研修のあり方について感心のある参加者の交流会といいつつ、なんでもありの会に。群馬、埼玉、神奈川、山梨、愛知の熱い仲間たちと、ソーシャルワークについてがっつり議論。いやー、楽しかったなー。これからもよろしく。
(本日の予定) 1限 「ソーシャルワーク・アセスメント」 講師:菱川愛 氏(東海大学健康科学部社会福祉学科準教授) 演習補助者:篠田まどか 氏(日本医科大学多摩永山病院 医療ソーシャルワーカー)         森崎奈津子 氏(戸田中央総合病院 医療ソーシャルワーカー)         鉾丸俊一 氏(東京都リハビリテーション病院 医療ソーシャルワーカー) 2限 「ソーシャルワーク実践のための面接技法」 講師&演習補助者:同上 晩 ケーススタディー・C-3グループ交流会&役割分担決め ①2007.12.8 加筆 ②2007.12.9 加筆