研修8日目

流石に疲れてきました。しっかり寝たので体調は良いです。昔は、2ヶ月の研修だったそうなのでいったい全体どうやっていたのやら・・・。


1限 「ソーシャルワーク・アセスメント」 講師:菱川愛 氏(東海大学健康科学部社会福祉学科準教授) 演習補助者:篠田まどか 氏(日本医科大学多摩永山病院 医療ソーシャルワーカー)         森崎奈津子 氏(戸田中央総合病院 医療ソーシャルワーカー)         鉾丸俊一 氏(東京都リハビリテーション病院 医療ソーシャルワーカー) 【内容】 『A.ピンカス&A.ミナハン・モデルでソーシャルワークのお仕事を進めるための地図』を用いて、①ソーシャルワークプロセスに必要な面接技術と、②①を効果的に行うためのコミュニケーションレベルでの面接技術について解説&演習補助者による事例紹介。 【印象に残った文章・言葉】 ・どんな場合でも、相手をソーシャルワークプロセスに乗せる。それに乗ってこなければサヨウナラ。ソーシャルワークとしてカウントしなくても良い。 ・面接技術とは、アセスメントをするためにあらゆる情報を収集するための手段。 ・インテークという言葉ではなく、エンゲージメントという言葉を使っている。私は、クライエントに援助の開始の合意をとるという意味合いに重点を置いてこの言葉を用いている。 ・アセスメントプロセスに役に立つSFA(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)の質問の型 ①アウトカム・クエスチョン ②コーピング・クエスチョン(サバイバル・クエスチョン) ③例外を尋ねる質問 ④スケーリング・クエスチョン ⑤リレーションシップ・クエスチョン ⑥メンテナンス・クエスチョン ⑦ミラクル・クエスチョン ※どんな場合でも一つの方法がすべてのケースに適応できる訳ではないため、臨床判断が必要。 ・私にとってSFAとは、大学で習ったクライエントの自己決定を実現するための具体的な質問方法だと理解している。(鉾丸氏の発言) 【感想】 ・魔法の輪(印象の55%はボディランゲージで決定される)の出典は、1970年に出た論文(M.argy let.al,in British Journal of Clinical Psychology vol.19,1970,pp.222-231)ということだが、約40年も前の研究を今でも前提に置いていて大丈夫なのだろうか。同様のテーマで近年行われた研究があるのかどうかが気になった。 ・Germainら(1996)の著書に登場する、Anticipatory Empathy(共感の準備)は、小西加保留先生の論文に出てくる、「予備的共感」と同様のものと思えた。本講義では、その具体的なステップ(1~4)が紹介され参考になった。 ・SFA(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)の質問の型の説明と併せて演習補助者から事例が紹介されたため、イメージが湧いて分かり易かった。 【評価】 ○ 【参考】 ・東京都医療社会事業協会「新人研修フォローアップ」 ・小西加保留「保健医療領域における対人援助技術」『桃山学院大学総合研究所紀要』第30巻第2号,2004.pp.31-44 ・上記論文に関する2006年11月12日の本blog記事 ・ロバート・チェンバース(プロジェクトPLA編)『続・入門社会開発-PLA:住民主体の学習と行動による開発』 国際開発ジャーナル社,2000.12
2限 「ソーシャルワーク実践のための面接技法」 講師&演習補助者:同上 【内容】 SFAの質問の型を使って、実際にロールプレー。更に会場全体で、事例に沿ったSFAの質問の設定、その意図について演習を行った。 【印象に残った文章・言葉】 ・意図は? ・問題志向ではなく、未来志向で質問していくこと。それがSFAまたソーシャルワークの特徴。「在宅生活を行ううえで、何が問題と思いますか?」とプロブレムトークに入っていくのは黄信号。そこで表明された全ての問題に我々は答えきれない。 ・相手に肯定的に関心を持って質問をする。 ・SWの中にある仮説を検証するためにクライエントに質問するのではない。クライエントが有している、解決方法を教わるという姿勢が大切。 【感想】 ・演習補助者は、何故あんなに小慣れているのだろうか。それが気になって仕方がなかった。 ・SFAについて知っている人たち(壇上の人々)と知らない人たち(受講者)という断絶された空間を感じざるを得なかった。同じソーシャルワーカーとして、共感というよりも未知との遭遇に近い。 ・大学病院でSFAを実践している佐原まち子先生が講義して下さったら、もう少し分かり易かったかも。ただ、最初から臨床に即してSFAについて講義を受けると亜型で覚えてしまう可能性が高いため、基本を学ぶには今回の様な講義で良かったと思う。 ・行き当たりばったりで面接している自分とは異なり、きちんと「理論に頑固さ」を持って面接している姿を見て、確かにこういう部分が専門家たる集団の凝集性を高めるのだろうなと感じた。 【評価】 ×
(本日の予定) 1~2限 「ケーススタディ(ロールプレー)」 講師:佐原まち子 氏(東京医科歯科大学付属病院医療福祉支援センター)      宮内佳代子 氏(帝京大学医学部附属溝口病院医療相談室課長)      榊原次郎 氏(霞ヶ関南病院医療福祉相談部長) 晩 研修会受講者全体の交流会 ①2007.12.9 加筆