「社会福祉士及び介護福祉士養成課程における教育内容等の見直し案に関するご意見の募集について 」『e-Gov』2007年12月17日

総務省のサイト「e-Gov」にて12月17日より、「社会福祉士及び介護福祉士養成課程における教育内容等の見直し案に関するご意見の募集について」(案件番号495070192)のパブリックコメントの募集が始まった(締め切り:平成20年1月10日)。先月28日、参議院本会議にて「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案」が可決、成立したためである。 同法の成立により、社会福祉士の新しい養成課程は1年半後の平成21年4月から開始されることになっており、早速日本社会福士養成校協会(代表:白澤政和)は、厚労省と養成教育内容に関する説明会を来週水曜日に開催する運びだ。 パブリックコメントでは、『社会福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)』が掲載されており、具体的な教育カリキュラムや、教員・施設設備、実習・演習の要件などの案が書かれている。 内容を眺めてみて印象に残ったのは、以下4点。 1.教育カリキュラムの名称が随分と具体的な名称・内容へ変更している。 2.実習時間は、現行の180時間に据え置き。 3.「4-f保健医療サービス(30時間)」という必須科目が追加されており、医療保険・診療報酬・保健医療サービス・専門職の役割・連携など、医療機関で働く上での必要最低限の事項が盛り込まれている。30時間ということで、半期科目のボリュームである。 4.作業チーム内に、東札幌病院MSWの田村里子氏が参加している。他にも圷洋一氏(日本女子大学人間社会学部講師)、篠田浩氏(岐阜県大垣市役所福祉部介護保険課)が参加しているのが興味深い。 東札幌病院がMSWを募集中。これはなかなかないチャンスである。 また、教育カリキュラムの大項目「サービスに関する知識」にある、9科目のうち、4科目は既に日本社会福祉士会専門分野別研修で実施されている科目と同様のものであり、「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律」に盛り込まれた専門社会福祉士の養成素地を築いたものと思われる。 あとは、日本学術会議社会学委員会社会福祉学分科会が現在まとめつつあるという「近未来の社会福祉教育のあり方」についての提案の公表が待ち遠しい(二木2007)。 今後、どの様な社会福祉士そして専門社会福祉士が養成されて臨床に出てくるのか注目したい。 【参考】 ・二木立「医療ソーシャルワーカーの国家資格化が不可能な理由」『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻39号)』2007(総研いのちとくらしHPより) ・白澤政和「近未来の社会福祉教育-社会のニーズにいかに応えるか-」『学術の動向』2007.10,pp.81-84 ①2008.1.11 加筆