『社会保険旬報』№2338,2008.1.1

今号は、年始第1号ということもあって読み応えがある。 1.舛添要一「インタビュー 社会保障制度を維持するためには安定財源の確保が避けて通れない」pp.4-8 種類:インタビュー ・「社会保障費を毎年2,200億円削減するのはもう限界ですよと言っています。」(p4) ※ここ1-2年、社会保障費の国民負担の増額の必要性について、研究者サイドから統一的な発言がみられたが、いよいよ厚生労働大臣も公式に発言。但し、近く実施予定の内閣改造によって更迭される可能性も高く、新しい大臣がどの様な政策を打ち出すか注目される。低所得者に配慮しつつも、増税はやむを得ないと思う。無論、厚労省自体が生み出している無駄を改善してもらう必要もあるが。 【参考】 ・権丈善一社会保障を守り抜くには負担増以外に道はない」『週刊東洋経済』2007年12月29・1月5日号,p144 種類:総論 ・二木立「診療報酬本体プラス改訂の意味――行き詰まる医療費抑制政策 負担増路線の登場も」『週刊東洋経済』2007年12月29・1月5日号,p146 種類:総論 ・二木立「小泉・安倍政権の医療改革-新自由主義的改革の登場と挫折」『月刊/保険診療』第62巻第12号,2007年12月10日,pp.113-121 種類:総論 2.池上直己「DPCと慢性期 包括評価の要件と今後の課題」pp.10-19 種類:総論 3.西村周三・邉見公雄・小山秀夫「新春鼎談 医療制度改革地域格差を考える(上)」pp.20-28 種類:座談会 ・邉見(へんみ)「前回(筆者補足:中医協改組後初めての診療報酬改定)は初出場で、甲子園の高校野球と同じで1勝をあげるのはなかなかむずかしかったけれども、今回はかなり細かいところにも病院の意見が入っています。たとえば、医療安全のところで臨床工学技士の点数がつく要件が入っています。それから、後期高齢者の医療制度で在宅を推進するために、退院時に退院指導をするときのMSW(医療ソーシャルワーカーなどの関与がある場合には点数をつける・・・中医協の委員として出たときに私は医師ですが、医師だけの代表ではない、医療従事者の代表でもあると考えました。過去の議事録を見たら、臨床工学技士とかMSWはまったく点数がないのです。その人たちの意見も主張して、やっと2年後に実現しました。今回は少しは病院の役にたったかもしれません(笑)。」(pp,21-22) ※臨床工学技士は断定表現だが、MSWは「など」「・・・。」とあいまいな表現。何故か? 【参考】 ・2006年7月16日拙記事 中央社会保険医療協議会総会/ソーシャルワーカー ・2007年10月23日拙記事 「中医協が後期高齢者の検討開始 入院時の医療連携など評価へ」『社会保険旬報』№2331,2007,pp.38-3907/10/12 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年10月12日議事録 4.田中滋「高齢社会を支えていくのは誰か 介護保険・地域社会・政府・高齢者それぞれの役割」pp.32-37 種類:総論