「神奈川中西部 病院MSW連絡会」の取り組み

今年の5月に開催された第56回日本医療社会事業全国大会の演題に、倉橋慎太郎(鶴巻温泉病院)「転院援助における診療情報提供書共通書式の試み~ソーシャルワーカー連絡会の活動報告から~」というタイトルを発見し、大変気になっていた。 今回偶然にも、著者も加盟している、「神奈川中西部 病院MSW連絡会」のHPを発見し、診療情報提供書共通書式を拝見することが出来たので紹介する。 HPによると、同連絡会の事務局は、東海大学病院患者支援センター総合相談室内にある。2006年9月1日に発足。同センター長は、医師の谷亀光則氏(腎臓内科学 ・代謝学専攻)。また、同病院総合相談室のMSW内田敦子氏も活動に参加している。2008年2月8日には第5回の連絡会を開催しており、恐らく半年に1回程度会合を開いている様だ。 谷亀氏の挨拶によれば、「MSWが関わる業務をより円滑にするために、多くのMSWが顔見知りになり、各々の医療機関の立場を相互理解し、そして患者・家族などの利用者へのサービス向上」を同会の設立目的としている。 なお、谷亀氏は、『必携 在宅医療・介護基本手技マニュアル(第2版)』永井書店,2005.10の編者でもある。私は、第1版を所有しているが、在宅介護スコアについて学習した時に大変お世話になった本だ。 同HPには、診療情報提供書をエクセルファイルにて公開しており、他にも看護師記載用の書類も公開されている。また、第56回日本医療社会事業全国大会での発表要旨も掲載されており、活発な活動が伺える。 ともすると、MSW(支援相談員を含め)は個々の組織内や個別患者の援助に終始してしまい、組織や地域における構造的な改善点を発見しているにも拘らず、手をつけないことがある。もう少し正確に言うと、「MSWレベルでこんなことしてもいいのだろうか」と心のどこかに気後れを感じているのではないだろうか。その点、地域連携室の事務員の方々は大変精力的に他機関・他職種と交流し、地域連携に向けて取り組んでおられる。その様な状況下において、同会の活動は大変興味深く私の目に映る。 是非、今後の更なるご活躍を期待したい。