KTGH-L(08.12.2)

・森鍵祐子ほか「急性期病院における早期退院支援を目的としたスクリーニング票の導入」『日本在宅ケア学会誌』vol.12,№1,pp.26-34 種類:量的調査 ○要旨 本研究は、特定機能病院で開発された早期退院支援スクリーニング票を一般の急性期病院に導入し、スクリーニングの妥当性を検討することを目的とした。スクリーニング票は6項目からなり、1項目でも該当すれば院外の機関・職種との連携や社会資源を活用する退院支援(以下、院外連携)の必要ありと判定した。入院患者156人を対象とし、入院時と退院時に質問調査を行った。 その結果、①スクリーニング票の敏感度は87.5%、特異度は66.3%であり、院外連携を必要とする対象者の把握漏れはなかった。②院外連携の必要の有無と院外連携の実施の有無の間には有意な関連があった。また、院外連携を実施した群は未実施群に比べ、スクリーニング項目に該当する割合が有意に高く、スクリーニング票は院外連携が必要な患者を予測できることが示された。以上から、急性期病院におけるスクリーニングの妥当性について一定の評価ができた。 ○語句説明 敏感度(感度)Sensitivity・・・本当の患者のうち検査で正しく陽性(異常)と出る人の割合のことで、診断漏れや見落とし(偽陰性)の少なさを反映します。 特異度 Specificity・・・病気のない人のうち検査で正しく陰性(正常)と出る人の割合で、正常なのに異常(偽陽性)としてしまう誤診の少なさを反映します。 参考:能登洋『日常診療にすぐ使える臨床統計学』洋土社,2005,p66