新刊案内

○内容 あなたの受けている治療は最適ですか。その不安を解消するためには適切な情報が必要。自分に合った情報を検索し、その質を確かめる、患者にできるテクニックを伝授。 ○著作者について 1961年生まれ。京都大学理学部卒。日経マグロウヒル社、マガジンハウスを経て、現在、日経BP社日経メディカル編集委員。2007年英国ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院修士課程修了(公衆衛生学専攻)。著書に『患者のための「薬と治験」入門』(岩波ブックレットNo.529)がある。 ○コメント 日経BP社日経メディカル編集委員ということもあり、他の類似書よりも質が高そう。早速購入。 ○内容 本書は,我が国で初の難病患者・家族のための難病相談ガイドブックである。難病医療専門員を対象にして書かれているが,入転院相談のみならず,各種医療・在宅療養相談,遺伝相談,社会資源の活用やネットワークの作り方など,広く難病患者の療養に関わる職種の方々や行政関係者にとっても有用な情報が盛り込まれている。看護,福祉を目指す学生にも好適な教科書として薦められる。 ○目次 第1章 重症難病患者入院施設確保事業における      難病医療専門員の現状  1.1 はじめに  1.2 重症難病患者入院施設確保事業  1.3 難病医療専門員の資格・職種  1.4 難病医療専門員の配置・人員  1.5 難病医療専門員の業務内容  1.6 難病医療専門員の行なう医療相談の概要  1.7 おわりに  資料1-1 厚生労働科学研究難治性疾患克服研究事業対象疾患 〈コラム1〉 優れた難病医療専門員を育てるために 第2章 入転院紹介に関する相談への対応  2.1 はじめに  2.2 入転院施設の確保が困難な事例調整を     依頼された場合の最初の対応  2.3 入転院に際した患者情報の収集  2.4 入転院の検討  2.5 交渉の実際  2.6 入転院受け入れ決定までの調整事項  2.7 入転院後のフォロー  2.8 県をまたいでの入転院紹介  2.9 事例紹介 第3章 入転院紹介以外の相談への対応  3.1 はじめに  3.2 入転院紹介以外の相談  3.3 告知や疾患理解,医療処置,社会資源の利用,     メンタルサポートに関する相談  3.4 在宅療養に関する相談  3.5 遺伝に関する相談  3.6 患者交流会・就労などに関する相談・情報提供  3.7 おわりに 〈コラム2〉 難病相談ガイドブックに寄せて 第4章 在宅療養に関する相談への対応  4.1 はじめに  4.2 在宅療養生活相談と対応  4.3 支援チーム形成のポイント  4.4 ケアコーディネーション  4.5 緊急時医療体制の整備  4.6 在宅療養破綻時の支援  4.7 在宅療養中の患者・家族への心理的サポートのあり方について  4.8 事例紹介  4.9 おわりに  資料4-1 障害ごとの対応 〈コラム3〉 難病患者の心理的サポート:臨床心理士の立場から 第5章 ALSに特有な対応の難しい医療相談とその対応  5.1 はじめに  5.2 本章での用語  5.3 難病の告知  5.4 病名告知と疾患理解に関する情報提供:     患者および家族等のメンタルサポートの実際  5.5 難病医療専門員の告知に関わる支援  5.6 患者・家族のメンタルサポート  5.7 療養の選択に関する情報提供  5.8 事前指示について  5.9 おわりに 〈コラム4〉 丁寧で納得のいく説明を 第6章 遺伝に関する相談への対応  6.1 はじめに  6.2 難病相談と遺伝相談の接点基本的な心構え  6.3 遺伝子診療部門との連携方法  6.4 相談内容に基づく留意点  6.5 主治医,当事者団体への照会について  6.6 相談の締めくくり方  6.7 倫理的側面への配慮  6.8 おわりに  資料6-1 遺伝子診療について参考になるサイト・文献・当事者団体リスト  資料6-2 遺伝学的検査に関するガイドラインより一部抜粋 〈コラム5〉 遺伝性神経難病への支援活動と私の想い 第7章 難病相談・支援センターとの連携  7.1 はじめに  7.2 難病相談・支援センターとは  7.3 難病相談・支援センターとの連携のあり方  7.4 おわりに 第8章 当事者団体への患者・家族の紹介および連携  8.1 はじめに  8.2 当事者団体(患者会)の把握  8.3 当事者団体への紹介  8.4 当事者団体との日ごろからの交流・連携  8.5 当事者団体がない場合の支援  8.6 事例紹介(ALS患者以外の当事者団体との連携)  8.7 おわりに 〈コラム6〉 患者さんを聖人にしてはいけない 第9章 ネットワークの拡充  9.1 はじめに  9.2 医療福祉制度に関して把握しておくべきこと  9.3 協力病院に関する情報収集の方法  9.4 協力病院の特色や入院患者の動向把握  9.5 施設について  9.6 協力病院確保(拡充)に向けての活動  9.7 ネットワーク協力病院の拡充の事例  資料9-1 協力病院へのアンケート調査の例  資料9-2 病床区分に応じた活用 〈コラム7〉 民間病院における神経難病診療立ち上げと難病医療専門員の重要性 第10章 難病医療専門員のメンタルヘルス  10.1 はじめに  10.2 相談相手を確保しておくこと  10.3 自己を知ること  10.4 ストレス自己チェック  10.5 自分なりの対処方法を持つこと(ストレス・マネジメント)  10.6 メーリングリストや研究会などの活用  10.7 おわりに 〈コラム8〉 福岡県重症神経難病ネットワークの9年間の活動を通して自己を振り返る 第11章 社会資源の活用  11.1 はじめに  11.2 具体的相談内容と対応  11.3 おわりに 第12章 事例紹介  12.1 はじめに  12.2 告知・受容・意思決定  12.3 疾患特有の困難さ  12.4 療養環境の整備  12.5 ネットワークの拡充  12.6 社会資源の活用  12.7 おわりに 第13章 参考資料  13.1 難病医療専門員名簿  13.2 難病医療専門員の自己評価シート  13.3 平成18年度実施難病医療専門員アンケート調査結果  13.4 重症難病患者入院施設確保等事業報告書の全国調査とネットワーク拡充に向けたマニュアル作成の検討  13.5 ALS患者の心理状態の評価  13.6 用語解説 あとがき 索  引 ○コメント 2008年1月に出版されている。単なる特定疾患などの社会資源情報の羅列ではなく、患者の療養生活から難病医療専門員のメンタルヘルスまで多岐にわたり掲載されている。早速購入。