「肝炎対策で意見交換-厚労省」『CBニュース』2009.6.11

肝炎治療特別促進事業(肝炎インターフェロン医療費助成事業)が、昨年4月1日から制度改正されている。老健にいた頃は、まったくもって関わることのなかった制度だ。その事業に関する意見交換がなされたようなので、参考までに掲載。こういう記事を読むと全体の動向が分かり大変助かる。 参考:・C型肝炎患者医療給付事業について(愛知県) 以下、CBニュースより転載
厚生労働省の全国肝炎総合対策推進懇談会(座長=久道茂・宮城県対がん協会会長)は6月10日、第2回会合を開き、肝炎対策の現状と今後の課題について意見交換を行った。  会合ではまず、厚労省の担当者が肝炎対策の現状について報告。この中で、肝炎治療特別促進事業(肝炎インターフェロン医療費助成事業)について、昨年度の肝炎インターフェロン治療受給者証申請件数(4-12月分)を示した。それによると、申請件数は4月から順調に伸び、6月に6724件に上ったが、その後減少し、12月には2351件となった。   インターフェロン治療の医療費助成の利用が順調に伸びていない理由として担当者は、▽肝炎患者・感染者であることを知らない▽知っているが、治療の必要性を感じていない▽通院しているが、治療に適した医療機関へアクセスできていない▽医師から治療を勧められているが、治療を受けていない-を挙げ、それぞれについて検査・治療促進対策を示した。  意見交換では、小俣政男委員(山梨県特別顧問)が「インターフェロン治療によって(患者からの)ウイルス駆除がどのくらいされたのか」と質問。昨年策定された「肝炎研究7カ年戦略」全体で考えられるウイルス駆除可能数や、投与期間を48週から72週に延長したことで期待されるウイルス駆除可能数などの数字を「疫学的な視点から」示すよう求めた。このほか、インターフェロン治療と肝がんによる死亡率との関連性などにも言及。これに対し担当者は、「関心のある分野」「研究者に(研究の)お願いをしたい」との考えを示した。  また、村田充委員(日本肝臓疾患者団体協議会監査)は、千葉県では昨年末時点で40歳以上の肝炎ウイルス検査の受診率が12.8%だったと指摘。「企業(の検査受診)を入れても2割前後。非常に低い受診率が全国で現実ではないか」とした上で、はがきで各個人にメッセージを送るなど、「行政の方から各個人に届くような政策を打っていただくことが重要」と強調した。小俣委員も、受診率向上のための「草の根的な運動」に「かなり真剣に取り組まなければならない」とした。 担当者は、「検査を受けていない方に対してはどういうアプローチが最もいいのか、ご意見を踏まえてもっと研究し、より効果的な受診勧奨の方法を考えたい」と述べた。  西村愼太郎委員(日本肝臓病患者団体協議会常任理事)は、患者団体に寄せられた意見などを基に作成した「肝炎対策についての要望」と題する資料を提出。専門医ではない一般医師の診療でも、C型慢性肝炎の患者がインターフェロン治療を受けやすくなるような診療体制の整備などを求めた。  会合の最後に渡辺孝男厚労副大臣は、「来年度の対応をどうするか、予算編成なども含めて夏から作業に入るが、ご提言やご意見を踏まえて今後の対応をしっかりとやっていきたい」と述べた。 更新:2009/06/11 06:25   キャリアブレイン