「筋骨格系疾患・COPD対策、予防から治療・合併症予防まで 厚労省が来年度概算要求へ(2009.8.18,0:30)資料 慢性疼痛・糖尿病対策も(医療行政:予算)」『Online Med』2009.8.18

慢性疾患への対策予算が組まれるとのこと。予算規模は不明。今月が厚労省への次年度診療報酬改定に向けての各団体からの要望書の提出時期と思われる。「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」の検討概要(案)において、慢性疾患を有する患者の社会面対策についても言及していることから、是非ソーシャルワーカーによる相談援助活動も組み入れて頂きたいものである。 臨床で面接をしていると、慢性疾患を抱え要支援・要介護状態でいるにも関わらず、意外に介護保険を中心とした各種制度についてご存知ではない方が見える。単なる制度説明だけではなく、個別の状況に応じた情報提供と、適切なアセスメントを踏まえたケアマネジメント・ネットワーキングに長けた社会福祉士を是非活用頂きたいものである。 『Online Med』より以下、転載。


慢性疼痛・糖尿病対策も(医療行政:予算)  厚生労働省は、筋・骨格系及び結合組織の疾患、慢性閉塞性肺疾患COPD)など従来の対策から抜け落ちていた慢性疾患について、QOLの向上に向けた支援などを求める患者ニーズに対応すること、また医療費の面でも筋・骨格系疾患は1.7兆円を占めていることもあり、疾患の発生予防、早期発見、適切な治療、合併症予防までの一連の支援方策についての支援モデル体系を具体的に示していく方針だ。慢性疼痛、また対策は取られているもののまだ成果が十分とは言えない糖尿病対策も併せて検討する。  厚生労働省は、筋・骨格系及び結合組織の疾患、慢性閉塞性肺疾患COPD)など、これまで系統的な取り組みがなされていない慢性疾患への対策に取り組むために検討会を設置、同検討会は8月10日に検討概要をまとめた。厚労省はこれを受けて来年度予算の概算要求に対策費を盛り込むこととしている。  8月10日の検討概要は、対策の検討が必要とするものにとどまっており、具体策については今後の検討になる。  筋骨格系疾患は受療率が高く、医療費も2009年度で1.7兆円に達ししている。一方、慢性閉塞性肺疾患COPD)はまだ国民の間での認知度が低いと見られ、受療率は低く医療費も1741億円と少ないが、総患者数は29万人に達すると推計されている。  慢性疼痛は、受療頻度の高い慢性疾患に共通する課題であり、患者のQOLに重大な影響を与えていることから、身体面、精神面、社会面からの全人的なアプローチが必要だとしている。  糖尿病対策についてはこれまでにさまざまな施策がとられているが、現状で(1)効率的・効果的な普及啓発が不十分、(2)健診受診率が低い、(3)健診後の受療率が低い、(4)医療機関同士の連携が不十分、(5)治療中断率が高い、(6)合併症発生率が高い、などの課題があるとみている。 資料1: 慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会検討概要(厚労省) 資料2:慢性疾患の全体像について(7.1第1回検討会資料)(厚労省)