新刊案内

貧困関連で法律文化社より2冊。 ○編者略歴 小久保 哲郎 1965年兵庫県神戸市生。京都大学法学部卒業。1995年大阪弁護士会登録(司法修習47期)。現在、日弁連貧困問題対策本部事務局次長、生活保護問題対策全国会議事務局長 安永 一郎 1956年大阪府大阪市生。大阪市立大学法学部卒業。1983年大阪弁護士会登録(司法修習35期)。現在、大阪弁護士会法律援助事業・日本司法支援センター対応委員会副委員長、ホームレス法的支援者交流会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ○内容 いまや貧困問題は「すぐそこにある」ものになった。しかし、どこか他人事とされがちな野宿者問題。代表的な訴訟を当事者・弁護士の視点から描き、リアルな現実として再構成する。 ○目次 野宿生活の実態 第1部 裁判からみる野宿者問題(林訴訟―稼働年齢層に対する生活保護の適用 佐藤訴訟―野宿者に居宅を 自立支援法の課題―生活保護制度と自立支援システムのはざまで 住民票訴訟―市民社会からの排除 靱公園大阪城公園訴訟―強制立ち退き) 第2部 さまざまな野宿者問題(野宿者がかかえる法律問題 法律扶助制度 世界の「ホームレス」問題) ○著者略歴 江口 英一 1918年生まれ。1941年東京大学経済学部経済学科卒業。1948年専修大学商経学部助教授。1956年北海道大学教育学部助教授。1959年日本女子大学文学部社会福祉学科教授。1968年中央大学経済学部教授。1989年定年退職、中央大学名誉教授。1981年第6回野呂栄太郎賞受賞(『現代の「低所得層」』未来社)。1982年度学士院賞受賞(同上)。2008年11月22日逝去 川上 昌子 1937年生まれ。1960年日本女子大学文学部社会福祉学科卒業。1961年日本女子大学助手。1969年淑徳大学社会福祉学部社会福祉学科専任講師。1971年法政大学社会科学研究科経済学専攻博士課程退学。2002年日本女子大学大学院人間生活研究科博士号(学術)取得。2007年淑徳大学名誉教授、同大学特任教授。2009年4月より聖隷クリストファー大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ○内容 貧困線と社会階層の分析による二つの手法により貧困量を測定した長年の研究の成果。多くの議論を呼んだ1972年の中野区調査とそれ以降の測定結果を収録。貧困の質を強調する社会的排除論を検証し、量的研究に基づいた政策の重要性を示す。 ○目次 はしがき  第1編 貧困量把握への二つのアプローチ  ――貧困線と社会階層による貧困研究に関    する考察 第1章 貧困線としての「保護基準」をめぐる     考察  1 日本における貧困理解の起点としてのB・    S・ラウントリーの貧困規定について  2 「救護法」におけるラウントリーの影響  3 第2次大戦時から敗戦直後にかけての最    低生活費研究の特質  4 最低生活費としての「高い保護基準」と    「低い捕捉率」をめぐる状況 第2章 「社会階層」概念による貧困研究  1 低所得層の社会的性格――「社会階層」に    よる貧困研究の方法的意義  2 社会階級階層構成の推移  3 不安定・低所得層の析出とその推移  4 不安定・低所得層と貧困線 第2編 東京都中野区における貧困量の測定と     貧困の性格 第1章 調査の目的と方法の意味 第2章 尺度としての「最低生活基準」算定方法 第3章 中野区民の最低生活基準以下層の量と     生活水準の分布,およびその所在  1 最低生活基準以下層の量  2 倍率1.0未満層=最低生活基準以下層の    所在と性格 第4章 世帯の特性と生活水準分布状況  1 世帯主の性別と生活水準  2 世帯の大きさ,家族構成と生活水準  3 世帯収入の構成  4 家族周期と生活水準の波動 第5章 低所得層が含まれる社会階層の分析 第6章 中野区の代表性の検討とむすび 第3編 中野区調査以降における調査結果と     測定方法に関する検討 第1章 最低生活基準を用いて測定した貧困量     ――年次別,および首都圏と地方によ     る違いに関する考察  1 実施した調査の概略  2 貧困量の測定結果  3 まとめ 第2章 本研究における測定方法に関する検討  1 われわれの所得による貧困量測定の発端  2 集計表の基本形について  3 A市調査による検討  4 国民基礎調査結果との比較による検討  5 1996年の二つの調査の比較による検証 第3章 社会福祉の範疇別生活水準に関する     分析  1 実施した調査の概略  2 A市高齢者を含む世帯についての生活水    準分析  3 子どもを含む世帯の生活水準の分析  4 障害者を含む世帯の生活水準 第4章 総  括  1 貧困線による貧困量測定の意義  2 日本における貧困の実際と将来的固定性  3 貧困概念の曖昧な社会,日本  4 日本における「貧困の再発見」の状況  5 最近の貧困研究の論点としての社会的排    除論について――貧困の質と量の問題 補論 見える貧困・見えざる貧困