MSW歴10年目の問題意識

4月でMSWとして働き始めて10年目を迎えました。 はじめに老健での勤務が5年。そのあと病院での勤務が5年目となります。 入職当初、MSWとして働くことの意義を、「貧困や生活困難を敏感に把握できるのは、医療機関を通してである」と考えていました。今でもその考えに変わりはません。無論、医療機関以外でも貧困や生活困難を把握できる場所はあります。しかし、医療機関で、新たに発生した(あるいは潜在化していた)貧困や生活困難を発見し、しっかりと受け止め、支援することに私は意義を感じています。 舟木氏(1999)は、高齢者分野において「医療の出口に福祉の入り口がある」と述べていますが、この言葉はどの分野においても同じだと思います。 さて、目下の10年目での問題意識を、以下の通り箇条書きしたいと思います。 ・退院援助…特に医療依存度の高い患者への在宅復帰支援の標準化・チーム医療の更なる向上 ・地域レベルにおける慢性呼吸器疾患患者の介護保険施設受入体制の向上 ・MSW業務の科学化…患者・家族の心配・悩みへの対処法の標準化 ・援助そのものの質向上…スーパービジョンを受ける、家族療法・短期療法の学習・訓練。特に、退院援助以外かつ社会資源の活用以外の相談にどう関わるか ・後輩指導…教わるばかりではなく・教える側でもあるという意識付けと実践 ・職能団体への関与…組織的な動きはとても重要。年齢・経験年数的にまだ早い 頑張ります。 【出典】 ・舟木文男「高齢社会におけるまちづくりネットワーク」『信学技報(電子情報通信学会)』CQ98,1999,pp.7-8