書籍案内

出口氏と言えば、以前次の記事を読んで虜になりました。

「第29回 国語ではなく算数で考えることが問題解決の近道」『出口治明の提言:日本の優先順位』2011年11月22日
http://diamond.jp/articles/-/14975

それ以来、「国語ではなく算数で考える」が口癖になっています(笑)

出口氏が書いた世界史本。約2ヶ月前に発売。ここ2W程の通勤電車の中でこの本を読むのがとても楽しかったです。歴史の解釈について、読む人によっては意見が異なる部分もあるかもしれません。しかし、全体の流れをつかむといった点でとても参考になりました。

巻末で、出口氏と歴史を学ぶ会を東京・名古屋・京都でやっているとの記載あり。早速探してみたら、ありました!

第3回ライフネット生命保険出口CEOと歴史を名古屋で学ぶ会
http://kokucheese.com/event/index/152070/

日時:2014年5月10日(土) 9時受付開始、9時半〜13時勉強会、13時半〜15時懇親会(任意)
テーマ:5000年史 ~人間とその社会をよりよく理解するために~
会費:1,000円
懇親会代:2,000円(ドリンク代別)
開催場所:椙山女学園大学・大学院 星が丘キャンパス
懇親会会場:COHAL


出口治明『仕事に効く 教養としての「世界史」』祥伝社,2014.2.22

○著者略歴

ライフネット生命保険株式会社会長兼CEO。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。1988年に生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長に就任し、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に退職。東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師、慶應義塾大学講師などを務め、2006年、ネットライフ企画株式会社(2年後、現社名に商号変更)を設立、代表取締役就任。2013年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

○内容

■人類5000年史から現代を読み抜く10の視点とは。
京都大学「国際人のグローバル・リテラシー」歴史講義も受け持ったビジネスリーダー、待望の1冊!
■日本を知りたければ、世界の歴史を知ることだ
ビジネスパーソンたちが、世界のあちらこちらで、日本の文化や歴史について問われたり、時の政府の行動や見解について問われることは、日常的になってきました。
その場合、この国が歩いてきた道、または歩かざるを得なかった道について大枠で把握することが、相手が理解し納得してくれるためにも必要です。
そして、日本が歩いてきた道や今日の日本について骨太に把握する鍵は、どこにあるかといえば、世界史の中にあります。(本文より)

○目次
はじめに なぜ歴史を学ぶのか
◆第1章 世界史から日本史だけを切り出せるだろうか
――ペリーが日本に来た本当の目的は何だろうか?
・いま求められている日本史の知識について
奈良時代の女帝たちは「男性の中継ぎ」だったのか
ポルトガル船が漂着したから、種子島に鉄砲が伝来したのか
・ペリーが日本にやってきた、本当の目的は何だったのか
・交易が、歴史の重要なキーワードである
◆第2章 歴史は、なぜ中国で発達したのか
――始皇帝が完成させた文書行政、孟子の革命思想
・文字が残る決め手は筆写材料にあった
始皇帝が完成させた文書行政が歴史の発達を促進させた
孟子の革命思想が、中国の歴史をさらに発達させた
・中国の神話に大洪水が出てくるのはなぜか
・歴史がきちんと残るのなら自分の名前を後世に残したい
科挙という制度は、紙と印刷の存在で可能になった
◆第3章 神は、なぜ生まれたのか。なぜ宗教はできたのか
――キリスト教と仏教はいかにして誕生したのか
・本章でお話ししたいこと
・ドメスティケーションの最後が、神の誕生だった
最後の審判という概念はどのようにして生まれたか
・直線の時間と、ぐるぐる回る時間がある
善悪二元論が、生まれてきた理由
キリスト教と仏教はいかにして生まれてきたのか
ゾロアスター教の永遠の火
◆第4章 中国を理解する四つの鍵
――難解で大きな隣国を誤解なく知るために
・一つめの鍵は中華思想にある
・二つめの鍵は諸子百家にある
・三つめの鍵は、遊牧民と農耕民の対立と吸収の歴史
・最後の鍵は、始皇帝のグランドデザインにある
◆第5章 キリスト教とローマ教会、ローマ教皇について
――成り立ちと特徴を考えるとヨーロッパが見えてくる
・本章を設けた理由
・「カトリック」とは何を意味する言葉なのか
キリスト教が、ローマ帝国の国教になるまで
・ローマ教会の、悪戦苦闘が始まる
・せめぎあいが続くドイツ王ローマ教皇
叙任権闘争と贖宥状、聖年、宗教改革
・ローマ教会の持っている三つの大きな特徴
◆第6章 ドイツ、フランス、イングランド
――三国は一緒に考えるとよくわかる
・知っているようで知らない国々
・三つの主要国は、どのようにしてできたのか
・最初は強大だったドイツが、だんだん細分化されていくのはなぜか
・フランスと英国の成り立ちは一緒に考えると、わかりやすい
・英国に議会の伝統が生まれた理由
百年戦争が英国とフランスをはっきり別の国にした
ヴァイキングの人たちはもとは商人であった
◆第7章 交易の重要性
――地中海、ロンドン、ハンザ同盟、天才クビライ
・生態系と交易との関係
・交易の道は、東から西へ
・地中海の交易ルートを巡って栄えた都市、衰亡した都市
・ロンドンが海上交易の中心になっていく理由
ハンザ同盟の技術革新、発展と盛衰
・東の交易圏
・ユーラシアの交易とシルクロード
◆第8章 中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン
――ヨーロッパが生まれる前の大活劇
・もう一つの遊牧民がいた
・ユーラシアの大草原に生まれた史上最強の遊牧民の話
・トゥルクマンとマムルーク
・トゥルクマンがつくった大王朝、セルジューク朝
・トゥルクマンの武力とペルシア人官僚の組み合わせがインドに大国をつくった
・騎馬軍団の前に歩兵と鉄砲が現われた
・ヨーロッパという概念は遊牧民の進出が止まって誕生した
◆第9章 アメリカとフランスの特異性
――人工国家と保守と革新
・初めに、日本人のアメリカ観について
・人間の当たり前の心情を断ち切って生まれた国がある
アメリカを応援して影響を受けたフランス
・人工国家に対する反動として近代的保守主義が生まれた
・人工国家だから、思いがけないことが起きる
・特にアメリカの特異性について
◆第10章 アヘン戦争
――東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
・英国がインドに抱いた野望
・英国はインドにアヘンをつくらせて中国に密輸した
アヘン戦争の始まりと終わり
・たとえばアヘン戦争GDPの変化で眺めてみる
アヘン戦争から、歴史は西洋史観中心になってしまった
◆終章 世界史の視点から日本を眺めてみよう
・国と国家について
・国も人もピークがあり寿命がある
・なぜ、戦後の高度成長は生まれたのか
・週に一度でもいいから英字紙を読む
・日本の社会常識を、世界史の視点で考え直してみる