「申請厳格化に反対意見多数 生活保護、省令案修正へ」『東京新聞』2014年4月15日

日本医療社会福祉協会『「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」の抜本修正を求める声明』2014年3月19日
http://www.jaswhs.or.jp/upload/Img_PDF/140_Img_PDF.pdf


「申請厳格化に反対意見多数 生活保護、省令案修正へ」『東京新聞』2014年4月15日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014041502000129.html

厚生労働省は十四日、改正生活保護法の実務の指針になる省令案を修正する方針を決めた。二月末から三月二十八日まで実施したパブリックコメント(意見公募)に、与野党による改正法の修正内容や政府側の国会答弁が反映されていないとして、修正を求める意見が多数寄せられたのを受けて、内容を見直すことにした。
 厚労省は十八日にパブコメの集計結果をホームページで公表し、修正した省令を官報に掲載、公布する予定。十四日時点の集計で、寄せられたパブコメは七百件を超えている。
 改正生活保護法の政府原案は、申請時に保護が必要な理由など細かな内容を書く欄がある申請書の提出を義務付けたが、野党が「窓口で申請を拒む水際作戦が強化される」と反発。与野党で、保護するかどうか決まるまでに提出すればよいと解釈できる表現に修正した。だが、省令案は政府原案の表現に戻った。
 自治体が保護を始める時に扶養義務者に書面で通知したり、扶養を断る扶養義務者に説明を求める「扶養義務の強化」について、国会審議で厚労省側は例外的な場合のみ対象にすると説明していた。しかし、省令案は原則として強化する内容になっていた。
 厚労省社会・援護局保護課は「国会答弁の趣旨に即するように修正する」としている。(1)申請書は保護の決定までに提出すればよい(2)扶養義務者への通知や説明の聴取も極めて例外的な場合に限る-と解釈できるよう修正する方針だ。 (上坂修子)
 <改正生活保護法> 生活保護費の抑制を目的に、申請手続きの厳格化や扶養義務の強化、不正受給対策の拡充を盛り込んだ。政府が昨年5月、改正案を通常国会に提出。衆院を通過したが、同6月、参院選前の与野党対立の影響で審議未了・廃案に。政府は与野党による修正内容を反映した改正案を昨年10月、臨時国会に再度提出。同12月に成立した。