がん医療におけるチャイルドサポート 参加記録

2014年7月27日(日)、がん医療におけるチャイルドサポートに参加するため浜松へ行ってきました。

内容は、若い親ががんになった時、幼児から思春期の子どもにその事実やこれからのことをどう伝えるか、またどう共に生きていくかをテーマとしていました。この研修をしったきっかけは、Hope Treeのホームページでした。 

具体的なスケジュールは、午前の部は厚生労働科研『がん診療におけるチャイルドサポート(代表小澤美和)』(平成23-25年)の研究結果の報告、病気・死に対する子どもの理解、年齢に応じた子どもへの説明、介入のための家族アセスメント。午後の部は、親子をつなぐ遊びの力(実習)、事例検討・事例紹介でした。

とても実践的な内容で、参考になりました。

○研修で印象に残ったこと
・介入のための家族アセスメント
いきなり子どもに病気のことを伝えれば良い訳ではない。親(患者・配偶者)の状態をアセスメントし、子どもの状態をアセスメントした上で必要な介入を考える。まずは親の支援が必要な場合があるので観察・考察が必要。

・magical thinking
幼児から小学生までの発達段階で起きる、「自分のせいで親が死んでしまう」という思考。客観的に考えたら因果家計はないが、子ども自身はそう思ってしまうことも。但し、単に否定するのではなく、それは親との一体感や愛着の表現方法という見方もできるため、一旦は受け止めてあげることも必要。

・子どもの悲嘆の特徴
Regrieving(繰り返し悲しみにくれること)。成長の段階の中で喪失を改めて感じる。

・3つのC
子どもに親の病気について伝える時のポイント。
-それは「がん」(cancer)という病気
-うつる(caichy)病気ではない
-子どもがしたことや、しなかったことによって引き起こされた(not caused by)ものではない

キットパス(日本理科学工業)
http://www.rikagaku.co.jp/items/kitpasholder.php
キットパスホルダー12色3
水拭きで消せるマーカー。1500円+税。入院した親と塗り絵を通して日常を取り戻すために、子どもが窓に絵を書いて病室へ入ることの子ども自身の抵抗感を減らすために、子どもとの思い出づくりのためにと、様々な使用例を紹介してくれました。ちなみに、製造元の日本理科学工業は、社員の70%以上が知的障がい者(全社員73名中54名が知的障がい者/平成24年6月現在)であり、障がい者雇用に積極的とのこと。

・レガシーワーク(親ができる記念になるもの)
-子どもへの手紙・録音(録画)
-日記
-親が死んだ後に、子どもにとって大事な日に、子どもが開けることができる手紙や贈り物
-親が写っているDVD等、映像
-幼い子どもに本を朗読しているテープ等
-スクラップブックの作成(どんな食べ物や、音楽が好きか、などをためていく)
※但し、それすることが負担になる場合は無理にやらない。そういう方法もあるという程度の扱い方が大切。

・『とても大切な人が がんになったときに開く本(緩和ケア Vol.24 6月増刊号)』青海社,2014.6


目次
コメント:上述の科研費成果の書籍化か。充実した内容で、職場に1冊置いておきたい。

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浜松アクトタワー(かなり高層)

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研修交流センター。きれい。

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らーめん酒家 驛麺の餃子定食(塩ラーメン)。浜松といえばはやり餃子。2007年に食して以来だから7年振り。あっさり。

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浜松といえばやはりうなぎ。うな炭亭のうなぎまぶし。そのまま、薬味、お茶漬け。3度美味し。